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さらに実力差

「さて。――細かいところはともかく。あんたら、俺を生け捕りに、と言ったな? 誰の指示だ?」

「実はセーフゾーンの……」


 突如、ずざー! と砂煙が上がる。

 このスピード、プレイヤーか……!?

 晴れていく砂煙の中、二〇代後半の派手な鎧や服を着た三人組の男性。

 


「ホントに居やがったかぁ、ラビットビル!!」

「俺たちに見つかったのが運の尽きだぜぇ!!」

「スピードはこっちのが上! 逃がさねぇ!!」


 おっさんの無駄に良い声が朗々と響く。

 じっくり見なくてもわかる、スピード全ぶりのキャラクター三人組。

 帝国サイドでは有名人枠、知らない人はいないプレイヤー達だ。



 真っ赤な上着に、馬の紋章のマントをまとったテスタロッツァ

 黒い鎧に黒い剣のディアブロ、こちらのマントの紋章は猛牛

 メタリックな銀を前面に押し出した服を着るエス=エル・ガルウィング



 中の人は、名前の通りに全員クルマオタクのアラフィフおっさん。

 こちらはそれを公言してるぶん、多少はやりやすい。


 社会でもまれて来ただけのことはあって軽妙な営業トークと、おっさんらしく無駄に一般知識が多いことで有名。

 花押三姉妹と同じく、第三者との協力が必要なイベントやクエストの達成率はやたらめったら高い。

 なにより、歩いたり走ったりする分においては誰にも負けない。


 そして重要なのは。

 彼らを知る人はみんな知ってる、”普通“とは文字通りに桁が違う重課金ユーザー。

 イストリパドオアにについてはさらに一桁違うらしいが、それは今はおいとこう。


 簡単に言えば、持ってる武器も装備もすごく良い。スキルもたくさん持ってるのだ。 



「わっちらの後にあの三人がでる予定でありんしたな」

「さすがに足自慢なだけはある、もう来たのか」

「速すぎでしょ。巡回のシフト、組んでる意味なくない……?」



「まったく。この期に及んでさらに”おっさんズ“かよ……、めんどくせぇ」


 もちろん。

 相手がワイバーンだろうと、野良モンスターに後れを取るような連中じゃない。

 三人そろえば普通に強い。

 とは言え、ランク的には花押三姉妹よりさらに下。



「ねぇユーリ。この人たちよりもっと弱いよね? あの人たち」

「まぁ、なぁ。……でもまぁ、強いヤツの標準、と言えば普通はあのくらいなんだよ」 


 花押三姉妹もおっさんズも。パーティとしてはもちろん、個人であってもカテゴリトップ100の常連ではある。

 そういう意味で弱くはない。

 でも。この二人から見ると、それはもう劇的に弱い。


 こちらに突っかかってくる意味さえ分からない、見てレベル差がわかんねぇのかよ。

 というくらいな程度になってしまうわけで。

 アテネ―の真実の目を使うまでもなく、そこはニケにさえわかる、と。


「ふむ、……で? 主殿」

「……あぁ、頼む。別にアイツらなら、多少怪我させてもいいわ。死なない程度にな」

 

 さすがにレベル差があり過ぎて、手加減にも限度があるだろうしな。

 中の人もリアルおっさんだし。死ななきゃいいよ、もう。


「さすがにデカく出すぎじゃないのか? 貴様一人だろうに!」

「お前らも簡単につかまってんじゃねぇよ、三人がかりで何してやがんだ」

「いずれこの場で貴様を捕縛する。一応、花押三姉妹も返してもらうぞ」



「主殿の知り合いだ。致命的なのはいかんぞ? ニケさん」

「かえって、むつかしいよ……」


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