アレな話しかしてません
【今着てるこの服だって、カナリィちゃんに作って貰った予備のヤツだし。キチンと伝えればコスプレ風にはならないと思うの】
「これ、普通に学校に着ていけるよな、確かに」
服の善し悪しは良くわからんが、元の制服よりも高そう。とは思う
デザインさえ決まれば。カナリィちゃん率いるコスプレ縫製士チームなら、1日あれば余裕で全員分作れるな。
それこそ着替えは要らないわけだし。
とは言え、服装だって教義に抵触する可能性はあるだろうし、転移に関してだって何か服装に条件が付くかも知れないし。
「あとで法王に聞いてみるよ。その後、良ければカナリィちゃんに頼む。それで良いか?」
「……ん」
――コンコン。ノックがなって、小さく扉を開けたバニティちゃんが、何ごとかその隙間の向こうと話をして、二,三度頷くと、――パタン。軽い音で扉が閉まる。
「なんかあったの?」
「あ。ユーリさんに、レイジくんから伝言が。――打ち合わせにお忙しいところ、申し訳無いのですが、よろしいでしょうか?」
社交辞令でも立ててくれてるわけでも無くて、どうやら本気でそう思ってるらしいんだけど。
おっぱいとエロゲの話しかしてなかったのに、忙しいわけ無いよな。
――亜里須サイドの話はほぼ聞こえてないわけで。そう思うとなんか意味ありげな成り取りに聞こえないでも無い、なんて。
真実は知らない方がお互いのためだろうな。
「うん、何もしてないから平気。……で、俺になんか用事だったの?」
「神官総長様が、ユーリさんに少々お時間をとって頂けないか。と要請されている、とのことでしたが……」
「あぁ、わかった。今からで良いのかな? レイジ、帰っちゃったの?」
「レイジくんは何かの用事の途中のようでして。……午前一杯、神官総長様はご自身の執務室から動けないので、もし来て頂ける場合は、ユーリさんの都合のよろしい時間で構わない。とのことでした」
「ふーん。……なら、バニティちゃん。これから行ってくるわ。悪いけど亜里須をたのむよ」
「心得ました。アリスさんのことはお任せを。……お供にアバラスを付けます。これから呼びますので、三分ほどお待ち下さい」
……どうせ、異教徒探索をするからアテネーを貸してくれ。とか、情報部の拾ってきた情報でわかんないところがあるからモリガンを貸してくれとか。
そういう話なんだろうけれど。
本当に危険な仕事なんか、頼まれないし。
あの二人、俺の許可が無いと法王からの要請だろうと絶対、手伝わないからな。
それでも、エロゲの話してるよりは良いだろう。
俺は、内容を聞いた上で。――どうぞ。って言うだけだしな。





