表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/470

始めから決まってました

「実はな、ユーリ。貴様がこちらに来て次の日のことだ。――私に御託宣が下った」

 俺のほか、リオと亜里須。

 三人で、転移してきた湖の畔から獣人村に向かおう。って決めた辺りだな。



「……あの。ゆうり、くん?」

【裕利君、御託宣ってどう言うこと?】


「意味、じゃないよな? ――まぁ、ゲームの世界だしさ。だから、神様から人間に対して今後の行動の指針的なものが直接。法王に下りるんだ」


 初期の法国が絶大な権力を誇り、結果的に魔導帝国が勃興したのは。

 言葉はアレだが、法国がこれを“独り占め”したことが原因、と言って良い。


「……ユーリ、何かおかしな事が?」

「すまん、法王。亜里須はランド(この世界)自体を良く知らなくてね。――でも、そこまでは普通なんじゃ無いか?」


「その中に、二人の救世主とそれに同道する者三名、そして名を無くした魔道師と神の宿りし巫女。以上七名の名があったのだが」


 まだニケとも会ってない時点で……。

 なんなんだよ、御託宣。


「ここに居る、あんた以外の全員ってことか」

「私はそれで良いと思ったのだが、一応貴様にも確認をしてもらおうと思ってな」



 救世主二人は間違い無い。

 俺と亜里須は、そう言うことでこの世界に呼ばれたんだから。


 同道する者、と言うからには一緒に居るヤツら。と言うことだろうが、文字通りに同じ道を歩いて、ここ。中央大神殿まで来たのが三人居る。

 ニケ、アテネー、モリガン。これも確定で良いだろう。


 名を無くした魔道師にも心当たりがある。

 魔導の大家、フロイデンベルグの名前を金輪際こんりんざい名乗れなくなった魔道師。これが目の前にいる。


 で。最後の、神の宿りし巫女。だけれども。 



「あえて聞くんだが、法王。あんたが言いたいのはリオのことか?」

「……そう言うことだ」

「あんたはなんか、知ってるのか?」

「特には。……ただ貴様を迎えに行かせよ、と直接名前があがった。個人を特定するなどと、そんなことはそうそう無いのだよ。――リオで間違い無いのだな?」


「あぁ、最後の一人は多分リオのことであってる。――詳細は言わないが。俺と亜里須は何のことを言ってるか、わかる。そうだよな?」

 亜里須にスマホをあげてみせる。

 チェッカでさえ、それについては書かれていなかったけど。

「……うん、そだね」


「ちょっと待って! ユーリ、アリスも。なんの話をしてるの?」

 自分のことだしな。リアクションとしては正しいんだろうけど。


「時期が来たら教える、今は知らなくても良い。……と思う。――だよな? 亜里須」

「……そうだね。まだ知らなくても、困んない。かな」

 むしろ自分の中にかみさまが同居してます、なんて。

 知ってたら、そっちの方が困るだろうしな……。


「自分のことなのに、知らなくて良いって。どう言うこと……!?」

「いずれ時が来れば……。なんてな」

 来るのか? そんな時。


「なんで意味も無く思わせぶりなの? ……それともなんか意味、あるの?」

 思わせぶりもなにも、――身体の中に神様入ってるよ。なんて。話せねぇもんよ。



「ともあれ。最後の一名はリオ、なのだな?」

「あぁ、その表現ならリオは条件に合致してる。……で、そのメンバーで何をしろってんだ?」

「貴様の元の世界へ飛んでもらいたい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ