7月25日朝
僕の朝はまず6時半に起床する。そこから顔洗ったり、朝食を食べたりするのだが、今日は何故か30分早い6時に起きてしまった。それにいつもよりスッキリと起きれた気がする。目をこすりながらカレンダーを見てみると今日は土曜日である事に気がついた。
「あー、今日休みの日じゃん…」
今日は司達と遊ぶ予定だが流石に早すぎる。もう一度寝ようと布団に潜り混むが全く寝れず、少し早い、いや、結構早いが起きることにした。
「さて、何をしよう」
とりあえず顔を洗い、軽く朝食を済ませた。約束の時間は12時だ。折角早起きしたのでたまには散歩でもしようと外へ出ると蝉の鳴き声が聞こえ夏だなと改めて思った所でふと疑問が出てきた。
「蝉って7月から鳴き始めたかな」
少し考えたが結論は出なかったのでもう8月みたいなものだしいいかと思い散歩に出掛けた。
歩いていると子供が公園で遊んでいるようだ。7時から。子供は元気だなあと感心しつつ喉が渇いたので自動販売機まで行きお金を入れて何を飲もうかなと考え、お茶を買おうと押したら何故か温かいお茶が出てきた。よく見るとあった〜いって書いてあるじゃないか。
「え?、どうして7月の後半に温かい飲み物が売っているんだ?、どうしてなんだ?」
何故か怒る気にもならない、自分がしっかり見てないのが悪いのだがまさかこの時期に暖かいのが売ってるとは思わなかった。その場で肩を落としていると沙耶と会った。
「あら、祐希じゃない。何してるの?」
「おはよう沙耶。見てわからないかい?、温かい飲み物を買ってしまったんだよ」
沙耶思いっきり笑い
「わからないわよ、そんなミスする人本当にいたのね。漫画で見たことあるけど現実でそれをやってくれる人がいたなんて何か嬉しいよ」
「笑い事じゃないよ…。また買うのはもったいないから飲むけどさ、この時期に温かい飲み物売ってるなんて酷いと思わない?」
「確かに変かもしれないけど間違えるほうが悪いと思うけど?」
「だよね」
「うん」
改めて落ち込んだ僕だった
「ところで沙耶も散歩かい?」
「犬の散歩を少しね。あなた休みの日だって言うのに早起きなのね」
「何か目が覚めちゃってね。やる事がないから散歩してたんだよ」
「珍しいわね、祐希と誠は基本起きるのが遅いのかと思ってたわ」
「たまには早く起きるさ、たまにはね」
色々と話しているといつの間にか一時間以上経っていた事に気づきそろそろ帰ることにした。
「それじゃあまたお昼にね」
「帰ってから寝ちゃだめよ?」
「頑張って起きてるよ」
家に帰宅し時計を見ると9時になっていた。今日の集合場所は近くの喫茶店だ。大体11時半に家を出れば10分前には着くだろう。後2時間半何をしようと考えているとインターホンが鳴った。相手は司だ。
「おはよう司。早いね、どうしたの?」
「少し話をしたくてな、時間大丈夫か?」
「うん、全然問題ないよ、ちょっと着替えて来るから上がって待っててよ」
「わかった、お邪魔します」
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[司]
俺は祐希の家に上がるとリビングで待っててくれと言われ走って部屋へ行ってしまった。相変わらず綺麗にしてある家だと思いながら祐希を待っていた。
「ごめんごめん、今お茶いれるね」
「ああ、ごめんな、ありがとう」
「それで、どうしたの?」
「昨日の事でな、改めてお礼を言いに来たんだ」
「そんな、気にしなくていいよ、友達なんだから当たり前でしょ?」
俺は祐希が言いそうな事は何となく分かっていたが本人から言われるとやはり嬉しい気持ちになった。
「本当にありがとうな。お陰で今回の件は上手く片付いたよ」
「それならよかった、結局どう言う話だったか教えてくれる?」
「そうだな、最初に祐希にだけは話しておかないと」
俺は祐希に話した。隣の家は父親が居なく母一人で育ててくれていた。最近母に新しい彼氏が出来たみたいで女の子は喜んでいたが、その彼氏がいつも家に居てその子に暴行をしていること、そこで俺に相談が来て俺が収まるまで泊まる事にした事。その事を祐希に話すと
「そっか…。大変だったんだね、お疲れ様。でも司は凄いよ普通はそんな事出来ないと思うよ?」
「いや、俺は結局何も出来なかったよ、祐希が助けてくれてなければこのまま続いてたと思うんだ。だから本当に感謝してる。ありがとうな」
俺は話したかった事を話せてやっとスッキリとした気持ちになれた。祐希は照れたみたいで顔を伏せていた。可愛いやつだ。ふと時計を見ると既に11時半を回っていた。
「おっと、話しすぎたなそろそろ向かおうか」
「急がないと!朝散歩してるときに沙耶に会って遅刻するなって言われてたんだよ…」
「散歩なんて珍しいな。とりあえず急ごうか」
俺と祐希は急いで待ち合わせ場所の喫茶店へ向かうのだった。
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