七話
言葉は出なかったが、これ違法じゃないのか。というのは思った。
「よくこんな生活をしてたな」
「だから、こうしてるんじゃない」
このお嬢様、箱入り娘の形してるがすげー強者なんじゃないだろうか。
でも、こんなんじゃ逃げたくもなるよな。俺もこんなだったら逃げる。確実に逃げる。何が何でも逃げる。
逃げる先がうちじゃなけりゃ全面的に賛成するんだが
「残り物ですがどーぞ」
「いただきまふ」
よっぽど腹が減っていたのかいただきますの言葉を言う前に箸を口に突っ込んでいた。
リスのように頬を膨らませるお嬢様を片肘を机に立てながら見ていると一つの疑問がモクモクと浮かんできた。
なんで、俺なんだ?
そりゃ、金はあるから一人くらい増えたところでどうということは無いが。
男だし、家はボロいし、狭いし…自分で言うことじゃ無いな。
「なんで、俺なんだ」
あ、口にから出てしまった。
「ふぁれふぁ、ほぉひほふ」
「わかった、食ってからでいい」
明日はトーストか茶漬けだな
。
綺麗になりつつある皿を見てそう思う。
「ごちそうさまでした」
「おそまつさま」
皿を流しに持っていく途中ふと割り箸を見て、こいつの物を明日に揃えに行くか。と、思った。
物つながりで気がついたが、着替えあるんだろうな。
それも聞いてみよう。
「おい、お前。
て、寝てやがる」
んなとこで寝るとはよっぽど疲れてたんだな
そのままにしとくこともできず、前で抱える、いわゆる姫抱っこで寝室のベットに寝かせた。
俺も寝るか、ソファーで。