四話
おめでとうございます。で、始まり。ありがとうございました。
で銀行の口座振込をして出てきた俺は、夢のような事にどう帰ったか覚えていない頭で家に帰り、親が
もう、大学だし独り立ち出来るよな。
で出て行ったために広いリビングで座り込み、ふと通帳を出してトンデモナイ額が書き込まれているのを見てようやく現実を受け入れたのをよく覚えている。
一瞬の追憶から戻ると行く前と変わらない。光景が在った。
当然か。
「お金も駄目とおっしゃるなら、あなたは何が良いのですか?」
どこか芝居がかった口調と身振りに嫌な予感がした。
「知るか」
「まさか、体!?
仕方ありません。
純潔であるこの身を捧げろとおっしゃるなら渋々、全て終わった後にはあなたを消してもらう事で従いますが。それで手を打ちましょう」
「まてまてまてまて、別にそんな事しなくても」
「では!明日からここに用事が済むまで泊まる事にいたしますね」
「おい!」
「なんですか?やはりこの身を捧げろとおっしゃるのですか?」
「んなことは言ってない!」
「では!」
「だぁかぁら!」
「どちらですか!まったく」
俺が言いてぇよ!まったく!
「仕方ないですね。使う気は無かったのですが」
彼女が懐から出したのは分厚い茶封筒。
なんか、近くの大手銀行の文字が入ってる時点で中身がわかった気がする。
「ここに二百万円在ります。
これをお渡しするのでここに泊めていただけますよね」
なんだろう、この用意されていた感じ。
言葉が確認になってるし、でも、もういいや。
しゃくだが俺の負けだ。
分類でもしようものなら粘り負け、戦略的敗北でもいいかもしれない。
俺はこいつをここに泊めることにした。