表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の元彼女に送る復讐日記  作者: 白戸黒
1章 復讐の下準備
2/4

1-1

 久坂部さんは校内でもトップクラスの美人だ。頭が良く運動もでき、傍から見ているだけならば正に才色兼備を具現化したかのような女性だ。

 しかしそんな彼女には大きな欠点がある。

 それは、彼女が男との関係がとてもだらしないということだ。

 真意は定かではないが、僕が聞いた噂によれば彼女は今までの十七年間の人生のうちに十人以上の男性と付き合ってきたとのことらしい。久坂部さんは、いったいどれだけの男たちを僕と同じ目に合わせてきたのかを考えると、もはや考えるのすら怖くなる。

 そんな久坂部さんが僕と親しくなったのは、僕が高校一年生の時に一目惚れして告白した時からだった。

「実は、一目惚れしました!もしよろしければ僕と付き合ってください!」

 あれは夏休みに入る手前ぐらいだったと思う。高校生になって舞い上がっていたのだろう。高校生なのだから告白すれば簡単に彼女ができるだなんて妙なことを考えていたのだ。いま考えてみれば、どうしてそんなことを考えていたのか全く理解ができない。そして、それ以上にあんな馬鹿な行動をしてしまった自分が恥ずかしくて仕方ない。

 もちろん、久坂部さんには断られた。

「ごめんなさい。私、あなたのこと全く知らない。でも、突然呼び出して突然告白してくるぐらいなのだから余程私のことがタイプだったのかな?そういうところ可愛いと思うし、お友達からなら構わないけど、どう?」

 それから僕と久坂部さんはお互いにメールアドレスを交換し、晴れてお友達として関係がスタートした。


「久坂部さん、ちょっと良い?話があるんだけど後で聞いてもらってもいいかな?」

「えぇ、構わないけど、改まってどうしたの?」

「後で詳しく話すけど、実は春休み中にかな美と別れた」

 この一言を聞いた久坂部さんは一瞬驚いた様子を見せたが、妖艶な笑みを浮かべて興味津々な様子で身を乗り出してきた。心まで見透かしてきそうな大きな目で真っ直ぐに見つめられ肉厚でぷっくりとした唇で話しかけられれば、久坂部さんのことをよく知らない人がこの人に興味を持ってしまうのも、男として仕方のないことのような気がする。

「あら、あんなに仲が良かったのに唐突ね。そうね。後で詳しく聞かせてもらおうかな。あ、でも、大輔君は明日の勉強しなくても大丈夫なの?」

「そんなものはとっくに終わってるよ」


 校長先生の長くつまらない話は大人になって振り返ってみても、自分の為になるだなんて到底思えない。時間の無駄、というのは正にこういったことを指すのではないだろうか。

 始業式は終わり、明日のテストの話をされて今日の授業は終了した。

「あ、私、彼氏と一緒に帰る約束してるから駅の近くで時間潰してて。後でメールするから」

 そう言うと久坂部さんは早歩きで教室を後にした。

 おそらく久坂部さんとその彼氏はこれから楽しく駅まで向かうのだろう。そして笑顔で「また明日」と別れるのだろう。彼氏は何も知らずに帰っていき、久坂部さんはその後に違う男と二人っきりで会う。

 相談を持ちかけた僕に非があるのだが、久坂部さんの彼氏はどう思うのだろうか。僕としては、久坂部さんはもはや友達としてしか見ておらず、久坂部さんもまた僕のことを友達としてしか見ていない。つまりは友達同士でおしゃべりをするだけとしか思わないが、男女間の関係ではそんな簡単な話では済まなくなってしまう。僕の彼女がそうだったのだから。

 久坂部さんの彼氏には少々悪いことをしているような気がするが、面識の無い人に気遣えるほど、今の僕には余裕がない。頭の中は、別れた彼女への負のオーラでいっぱいなのだ。

 今ならば、生霊すら発生させることができそうだ。


 僕の通っている高校は街中にあり、僕や久坂部さんの指す駅というのは市内で一番大きな駅のことを指す。つまり交通の要となる駅。その周辺には大きなショッピングモールやレストラン、喫茶店や本屋などのさまざまなお店がある。

 僕の家はそこから更に二十分程電車で移動したところにあり、そこは民家と田んぼしかないような田舎なため、近所には何もない。そのため、高校に通い始めたばかりのころは定期券があることを良いことに暇あればこの辺りまで遊びに来ていた。友達と来ることもあったが、一人で来ることの方が多く、その時にやることといえば面白そうなお店を発見しては入ってみることだった。自分でもあの頃はアクティブなことをしていたと思う。今ではそんな面倒くさいことをやろうなどとは思わない。

 そんな時に見つけた小さな喫茶店がある。そこは極めてレトロな雰囲気で、この店内だけ外の世界と切り離されているかのような錯覚すら感じるほどだ。別れた彼女との思い出の場所でもあるが、だからといってこの場所にもう行かないというのはあまりにもったいない。この場所を知っている人も少ないため、久坂部さんと会うお店はここに決めた。

 店内に入るとコーヒーの芳醇な香りが漂っており、この香りを嗅ぐだけで心が落ち着く。

 僕は二階の窓際の席に座り、久坂部さんからのメールを待とうと携帯電話を取り出し机の上に置こうとしたところ、携帯電話を見れば既に久坂部さんからメールが来ていた。

 すぐさま場所を送りコーヒーで一服した後、五分ほどで久坂部さんはお店に到着した。駅からこの喫茶店まで歩いて十分以上はかかるというのに、あまりに早い到着に意表を突かれてしまった。

「早かったですね。まさかこんなに早く来るなんて思ってもなかった」

「急いで来たからね。こんな面白そうな話聞かない手はないし、長くなりそうだからね」

「話聞いて欲しいと言った身でこんなこと言うのも変だけど、なんかごめんなさい。彼氏もいるのに」

「あぁ、いいのよ。なんか私たちも危うい感じだし。今日も帰りに喧嘩しちゃってね」

 そう言いながら久坂部さんは真っ直ぐに整った綺麗な長い髪を人差し指で弄り回しながら遠い目をしている。

 しかし、すぐにハッとして僕の方へ向き直した。

「て、私のことはいいんだってば。さ、お姉さんに話してご覧なさい」

 生まれは僕の方が早いためどちらかと言えば僕の方が歳上なのだが、久坂部さんのお姉さん発言については特に反論する気にならない。どちらが大人びて見えるかと言われれば、おそらく誰に訊いても久坂部さんの方なのだ。

「あぁ、えと、まず何から話そうかな・・・」


自分で言うのもなんですが、話の導入なのであまり面白くないです。

というより人物紹介になっちゃった・・・(テヘペロ


この長さで章構成するととても長くなりそうですが、一つの章はこれぐらいの長さで書いていこうと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ