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第2話
翌朝、いつもと同じ音で目が覚めた。
同じ時間、同じパン、同じ匂い。
なのに、昨日と同じはずなのに、
どうしても“同じ”に感じられなかった。
パンを齧りながら、僕は無意識に友人の顔を見ていた。
短い髪。平らな胸。低めの声。
昨日見た、あの二人。
「なあ」
友人が僕の視線に気づいて声をかけてくる。
「どうした?顔に何かついてるか?」
「……いや」
否定しながら、頭の中では別の言葉が渦巻いていた。
――違う人間が、いる。
僕らと同じ年頃に見えた。
同じように制服を着ていた。
なのに、決定的に違っていた。
授業中、先生の声が耳に入らない。
黒板に書かれる文字を追いながら、僕は初めて思った。
ここで教えられていることは、
本当に“全部”なんだろうか。
授業が終わり、部屋へ戻るビークルの中。
いつもの灰色の壁を眺めていると、友人がぽつりと言った。
「なあ……昨日のやつさ」
心臓が一瞬跳ねた。
「いや、やっぱりなんでもない」
友人らしくない発言に、少し戸惑いながら僕も昨日のことを思い出していた。




