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第39話 力がバレた瞬間 ①

午後四時半を過ぎて、慎輔しんすけ冴姫さき、そして沙也加と無礼講を楽しんだ陽太は一人で学校を後にした。陽太がMPデバイスを見ると、妹の陽菜からメッセージが届いていた。


――

陽菜ぴー:今日から悠々や美玲ちゃんたちと学校の図書室で勉強することにしたわ。帰りは19時ごろになると思う。陽菜、ファイト!オー!!


 さらにかわいらしいサニーオンのキャラクターが闘魂のヘッドバンドを着けて奮い立たせるスタンプを付いてに送ていた。


陽太:了解!お母さんと約束した通り、帰り途中。また、家で会おう。勉強、ファイト!おう!


 付いてに、別の星をモチーフにした、黒い目が豆のように描いているキャラが拳を挙げて応援するふうに見えるスタンプを送る。


――


「陽菜ちゃん、頑張ってるね。差し入れを買って行こうかな。少し遠回りして、約束通り18時前には家に帰るよ。」


特に予定がなかった陽太は遠回りをして坂道を下り、少し市街地を通り抜けた。歩道は広がり、左右には商店が並び、中央には3メートルを超える木々が植えられていた。道は装飾的なレンガで舗装されていた。


手作りどら焼きの店には長い列ができていた。熱々の鉄板で焼かれるどら焼きは、手際よく焼き上げられ、店員は20個のどら焼きを作っていた。そのうち10個には小豆とカスタードの餡が挟まれていた。店の特徴は、どのどら焼きにも真ん中に白玉が一粒挟まれていること。生地が厚焼きどら焼きだった。陽菜の好物の一つで、今朝ハチミツをかけたパンケーキを食べなかった彼女のために、これを買ってあげるときっと喜ぶと思った。


陽太は列に並んで待ちながら、たまたまその道を通りかかった若い男性が陽太をじっと見ていた。


陽太が列で待っていると、ついに彼の番が来た。


「オリジナルを2つ、ハチミツクリームを4つください。」


「はいよ!」と店員が応じ、陽太はMPディバイスで支払いを済ませ、焼きたてのどら焼きを受け取った。彼は嬉しそうに言う。


「これを陽菜が見たら、びっくりするだろうな。」


 いつもの通学路に戻った陽太は、目の前に現れた若い男性に注目した。それは先ほどドラ焼き屋の前を通り過ぎた男だった。彼は高校生の制服を着ており、クールビズのシャツの裾を出している。シャツの一番上のボタンは開けられており、彼の茶髪の中には赤色が混じっている。彼の頭の左側の鬢毛には、かすかな手術痕のようなものが見える。目測で彼の身長は陽太より10センチほど高い。彼は両手をポケットに入れたまま、口笛を吹いていた。


 一見普通の高校生に見えるが、陽太には気になることがあった。彼の首から放たれるエネルギーが体全体よりも特に高く、彼と歩きすれ違うと、その周囲の気温が10度ほど下がるほど涼しい感じがした。この男は異能力者であることが明らかだった。


 彼は陽太と肩をすれ違う瞬間、涼しい笑みを浮かべた。陽太は、瑶妤が以前言った警告を思い出し、不審者だと思われるような行動を避けるため、彼を無視して歩を続けた。


 その後、20代前半の女性が近づいてきた。彼女はオシャレでカジュアルな服装をしており、近くの大学の学生だろうと陽太は推測した。彼女は高級ブランドのバッグを持っていた。


 その時、陽太は強いエネルギー反応に気付き、急速に近づいてくる何かを察知した。空から一台の大型エアーバイクが突然降下してきた。バイクの運転手はヘルメットとフルボディの黒いスーツを着ており、片手で操縦しながらもう一方の手を伸ばし、何かを狙うような仕草をしていた。


突如現れたその不審者を目撃した陽太は、大声で警告を発した。


「危ない!」


その一瞬の隙をついて、その女性のブランドバッグがバイクに乗った強盗に奪われた。


女子大生は叫んだ。


「イヤアアア!誰か助けて〜〜私のバッグが!」


その強盗は一瞬で高速で現場から離れようとした。


 通りがかった高校生の男性はそのバイクを振り返り、陽太の視界からははっきりとは見えなかったが、そのバイクが何らかの外力によって撃たれたようだった。バイクとドライバーはそのまま地面に激しく墜落し、地面には割れ目ができた。


 よく見ると、その男は片手を向けており、大きな水玉を集めていた。その周囲には無数の水滴が集まっていた。


少年は涼しげな笑みを浮かべて言った。


「オッサン、昼間に住宅街で強盗するなんて、とんでもない度胸だね!」


 強盗犯は衝撃により頭がくらくらして何度も首を左右に振り、深く息を吸うために手でヘルメットのフィルターを上に引き上げた。一時的に動揺していたが、すぐに立ち直り、凶悪な表情で高校生の男性を睨みながら、バイクで逃走しようとした。


 少年は集めた水滴を圧縮して、高圧の水流を強盗のバイクに向けて放ち、バイクのエンジンを破壊し、炎上させずにバイクを完全に機能停止させた。


 「逃げられると思うか?」


強盗は怒りに任せて叫ぶ。


 「クソ、化け物か!」


そして、彼はバイクの収納ボックスから20センチを超えるサバイバルナイフを持ち出せ、それを手に翳す。


「おっと、そんな刃物は俺には効かないぜ!素直に自首した方がいい。」


しかし、強盗はその男が異能力者だと知ってから、すぐに周囲の人々を人質にしようとする。


「うるさい!どいつもこいつも俺を邪魔しやがって!!そうだ!お前は、こい!」


彼が狙ったのはバッグが盗まれた女子大生だった。

彼は素早く女性に襲い掛かる。


女性は悲鳴を上げる。


「ぎゃああ!」


その緊急事態に、陽太は自分の安全を顧みず、二人の間に立ちはだかる。


「そんなことはさせない!」

「邪魔すんなぁ!!」


狂ったような眼差しで、強盗はサバイバルナイフを陽太の方向に振り下ろしてきた。

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