学校新聞とSNSで広がった想い
柊の願いリストを知ったのは、最初は学校新聞の記事だった。
新聞委員の美咲が、柊の想いを丁寧に取材し、記事にまとめた。
記事は、柊が病気と闘いながらも、前向きに生きる姿や、「みんなにありがとうを伝えたい」という強い願いを伝えていた。
その記事が学校の廊下の掲示板に貼られると、同級生たちが足を止めて読んだ。
「柊の想い、すごく伝わってくる」
「私も何かできたらいいな」
そんな声が広がっていった。
やがて、友人たちがその記事をスマホで撮影し、SNSに投稿した。
「柊ちゃんの願いリストがすごい。みんなで応援しよう!」
SNSは瞬く間に広がり、町の外にも柊の想いが届いた。
「知らない人からの応援コメントもたくさん届いてるよ」
病院のスタッフが柊に伝えると、彼女は驚きながらも嬉しそうに笑った。
SNSでの応援メッセージには、全国の人たちの温かい言葉や励ましがあふれていた。
その声が町の人々にも伝わり、自然と柊の願いを叶えたいという気持ちが広がっていったのだ。
柊の想いが、学校新聞からSNSを通じて、町全体、さらには遠く離れた場所まで届き、たくさんの人の心を動かしていった。
そんな奇跡のような広がりが、後に「ありがとう祭り」という大きなプロジェクトへとつながっていく。