プロローグ
「其処を踏みつけ足場とした』
新たなる神話の一節より抜粋
「利口なものは恐れ慄き泣き叫ぶ、足らぬものは抗議する」
聖歴384年出版「平和主義者と滅亡主義者」の一行目より抜粋
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「メタ」魔族が絶対的支配者として君臨する世界。多様な種族、身分全て魔族の下にあるという思想「魔配他従」が蔓延る世界。
元は世界の支配者だった人類、動物が知性を持った突然変異体獣人、とてつもない技術力を持つドワーフ、堕落した魔族達デメル、来訪者、異端者のスピリッツ、旧世界踏みつけて世界を創り出した魔族と謎多きカミガミ。そして、それらの混血種。
異なる種族達はは比較的平和な関係を築き暮らしているが、魔族とカミは別だ。
建前で塗り固められた言葉を並べご機嫌伺い、ご用聞き。一つ間違えれば国など容易く滅ぶ。「利口なものは恐れ慄き泣き叫ぶ、足らぬものは抗議する」を掲げて国民に反抗心を抑える動きもある程だ。
国の規模はそれぞれだが主に大陸単位で領土が分けられている。
小規模大陸だったが海を埋め立てを続け大陸植民地化などにより超大規模大陸となった多様な階級、種族が住み、政党政治を行う経済大国 ハビメリア
風土を重んじ、魔術ではなく剣術と古からの技術で生き人口の大半をスピリッツが占める、軍国家で閉鎖的な中規模大陸 ゲム
他国とは違い皇帝を中心とし、山術という独自の術を用い、リュウジンを信仰する大規模大陸 センヨウ
製鉄、鋳造などの鉄鋼技術に優れ、野性味あふれる食品などで観光業など盛んな、メタの中でも秀でた戦力を有する騎士団ビュルムをもつ獣人、人間、ドワーフが住む王政小規模大陸 ヒュッゲルバインダー
超技術を持ち他国とは一線を画す発展を遂げ、エイマーズという機械生命体を作り出し共存するまで至った、「神」を信仰し行くには国王の許可が必要な規模不明神秘の国 ジュガ
他国よりも発展出遅れたばかりか、歴史的、政治的に利用されることが多く、労働力を他国に売りに出して国を保つ貧困層が多く不安定な大規模大陸 ナタル
そして、この世界の根幹、魔族達が住み多種族は立ち入りを禁じられた、超大規模大陸 聖都 闇を抉り出した聖都
人々は皆何を信仰しようと、どんな考え方どあろうと一日の朝と夜にはアングリアタロスに向かって感謝を込めて祈るようにして生きる、それは閉鎖的な国でも皇帝も王も例外なく、遍く全てがそうなのだ。
もちろん生物達が生活を営んでいるのは大陸だけでは無いその他国としては指定されていないが小さな島国や海中でも独自の文化を持つ者達が居る。中には大陸国を相手どれるほどの国もあれば、小さいが故の魅力を宣伝して観光に力を入れている国もあり、大陸国とも対等に対話を出来る国が多数存在する。
魔族とカミ、共通の敵。多数の国同士協力すれば打ち倒せるはずなのだ。しかし恐怖が全てをねじ伏てしまう。さらに、アタロス粛清軍という反乱分子を処分する組織があるという都市伝説は今や全世界に広まりその恐怖心をさらに増幅させている。
「利口なものは恐れ慄き泣き叫ぶ、足らぬものは抗議する」事実大概はそうだ。
だが、一部の数少ない利口で無謀、足らずを自覚し冷静。その様な者達がいることもまた事実なのだ。
この物語はその様な世界「メタ」で起きた悪魔、人、過去と神とカミに翻弄される話をまとめた物である。
さて、先ずは、神話を信じ真実を追い続ける男の話でもをしましょうかぁ。