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秋の空は高いから好き。と言うとペーターに笑われる。金色の髪は麦みたいねといえば君の髪は夏の夜空に似ていると言って笑ってくれる。ペーターは私の髪について馬鹿にしない。色が濃ければ濃いほど愚か者になると言う風習は大人達に蔓延していて、私の髪は嘲笑対象なのだ。ただ、友達は良い色なのにね!と怒ってくれる。成績だって村一番だし!可愛いし!と泣いた私をペーター初めてみんなが慰めて大人達に抵抗してくれた。だからかも知れない。私はこの村でても自由に暮らせていたのだ。

閉鎖的でも排他的でも。私は私を守ってくれる人達のおかげで幸せだった。




「結婚しよう!」

「ん?」

「アメリアは僕と結婚しよう!」

「…ペーター」

「なんだよ」

「私達まだ12歳よ?」

「知ってるよ!でも早く言わないと!君は可愛いんだ。」

「なに、それ」

「笑うなよ…親父もお袋も。アメリアを嫁にするって言ったら絶対勝ち取ってこいって言ってんだ。泣き落とせって店うちの親、アメリア好きすぎたろ。」

「私もおじさんやおばさん好きよ」

「俺は?」

「うん」

「うん?!」

「好き」

「!」

「へへへ」

「かわっ?!可愛い!」

「もー!そんなこと言うのはペーターだけよ?」

「みんな言ってるわ!僕だけじゃないし!僕はね、アメリア」

「何?」

「君のその夜ような髪が好きだよ。優しい色の月色の目も。笑うとエクボが出るのも、走るのが苦手なのも。あと、声も好きだし」

「ペーター」

「誰にでも優しい君が好き。僕だけで良いじゃんって思うけど、そう言うアメリアが僕は好きだよ」

「…」

「ああ!泣かないで!君が泣くと僕も泣きたくなる」

「好きよ、大好き」

「!」

「私もペーターが大好き!」







田舎の村。麦の海。娯楽も何もない村だったけど私にとって大好きな村。大好きにさせてくれた、ペーターがいたから私は笑って過ごせれた。




この頃が一番幸せだったかも知れない。

変わらず幸せでいられると無条件に信じられたこの時が。

私の人生で一番幸せな時間だった



My life didn’t please me, so I created my life. 0

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