思春期
幼馴染の3人組。女の子と男の子は付き合ってる。美男美女でもてはやされる。男の子2人は親友。おんなじスポーツをしている。2人が部活をしているときは周りの黄色い歓声がいつも響いている。そんな3人のとある話。
ある日、親友のお兄ちゃんが女装して家を出て行ったことに嫌悪感を抱いた話をされる。その話を聞いてずっと主人公はモヤモヤする。そのモヤモヤの正体に気づいた主人公はショッピングモールの女性の衣料品店に向かう。周りは女の子ばっかりのなか、服を見るが自分が見たいものはここじゃないと気づいてある店に向かう。
その店は、オネェさんが営む服や。可愛い服がいっぱいあるがそれはオトコの娘にむけて作られている。そこで主人公は思い切って店員さんに自分の似合う服を尋ねる。店員さんは初めは流行りの服などを選ぶが、主人公の反応はイマイチ。店員さんは主人公の様子を見て、今まで女装をしたことないことを察知し、彼女のために聞きにきたと判断。甘いガーリーな服を選ぶ。緑の花柄スカート。ピンク系オレンジのワンピース。それを手に取り主人公は丈が長いのではと相談。その服は丈が長そうに見えるが胸がある人は丈がちょうど良くなると胸パッドと一緒に主人公に渡す。一応おとこの子が可愛くなる店なので主人公に服を合わす。その説明を聞き主人公は服を試着する。そこで店員は主人公が自分が着る服を選びにきたことに気づく。そしてワンピースを着た主人公は美系ということも相まって今までの服装より遥かに似合っていた。主人公の思いに気づいた店員は本気でコーディネートする。ワンピースの上から白のカーディガンを羽織るとさらに優しい印象に。あとは青みがかかった暗い髪を巻いてハーフアップにする。そして、鏡にははじめの面影はどこにもなく美少女が写っていた。その姿を見た主人公は笑顔でお礼を言い、服を着たまま家に帰る。
家では美女が帰ってきたことでざわつく。が、昔からなんでもありな家柄みんなすぐに馴染んだ。むしろ、5人いる女兄弟はノリノリでいらなくなったメイク道具や服をくれた。そうこうしている中、女の子が会いにきた。姉の1人が連絡をとったのだ。新しくなった主人公の姿を見て女の子は、可愛いと絶賛した。そして一緒に買い物に出かける。自分の姿にひかないのかと主人公が尋ねると女の子はむしろ似合っているし前より生き生きしているよ!と答える。主人公は少しホッとした。女の子はさらに続けて怖いだろうけど、自分のために新しい姿を見せてくれたのが嬉しい!と笑顔で言った。
新しくなった主人公は姉や女の子の制服を借り、可愛い格好で学校にも通っていた。初めはお団子にするだけだったがしだいに周りのみんなも褒めてくれ、昼休みに化粧を一緒に直したり、髪の毛を可愛くアレンジしてもらったりと女子の中でも徐々に主人公の姿に慣れていった。新しい姿を見た男子も初めは動揺していたが主人公の性格がなにも変わっていないことに気づいて今では前と同じように一緒におしゃべりや部活をしている。ただその中で1人だけ主人公の変化を受け入れられずにいる男の子がいた。
彼の胸中では兄が女装していたことを嫌悪感抱いていたが、1番仲の良かった友達が女装してきたこと、周りもそれになんの違和感もなく過ごしていること、彼自身も友の変化を悪いものとは思っていないことなど複雑な思いで葛藤していた。そんな中、友から遊びに誘われた。前々から2人で参加していたフットサルだ。そこには女装した彼を見たことがある人は1人もいない。自分が感じていた嫌悪感も感じる人がいるかもしれないという微かな思いがあった。だから複雑な思いを抱えたままオッケーしてしまった。
そして当日待ち合わせの場所には女と見間違えるほど可愛い主人公がいた。なんならナンパされている。と、流石にこれは不味くないか?と男の子はナンパを止めに入る。ナンパはさっていく。主人公がありがとうというと制服よりもはるかに可愛い姿に少し戸惑ってしまい、無視してしまう。そして2人でフットサルに向かう。目的地に着くといつものおっちゃんたちがいる。おっちゃんたちは主人公の新しい姿見て、男の子に声をかける。「あんちゃんなに彼女連れてきてんの?」「あんなに可愛い子の連れおるならはよ紹介してや」
男の子は複雑に思いながら主人公だと伝える。おっちゃんたちは嫌悪感を表すかとおいきや主人公にどんどん話しかける。可愛い子と話すのに男も女も関係ないらしい。そして主人公のいつもと変わらない態度におっちゃんらも徐々になれ、誰も嫌悪感を抱く様子はなかった。
試合終わりの帰り道男の子が主人公に声をかける。
「おまえのその姿、みんな驚いてたな」
「そりぁそうだろうな、でもかわいいって結構褒められたぜ!」
「…前に俺の兄貴が女装してでて行った話したよな」
「おう」
「なんでお前までそんな…ごめんやっぱりなんでもねぇ」
「俺が…」
「俺がこの格好を始めたのはお前の兄貴の話を聞いたからなんだ」
「え?」
「俺はずっとお前のことが好きだったんだ」
衝撃の言葉に主人公の方を見る。主人公はまるで華奢な女の子のように顔を赤らめている。
「え、いやお前今までそんなこと一言も…というかお前あいつと付き合ってたんじゃねーの」
「付き合ってたんだと思いたかった」
「でもいざそーゆーことをしようってなるといつもお前の顔が目の前に浮かんで、結局一度もできなかったんだ」
主人公が男の子と目を合わせる。
「俺はお前が好きだ。でもお前は女装をしたお兄さんに嫌悪感を抱いた。それはきっと俺の思いも気持ち悪いと思われると思った」
男の子は黙り込む。
「だから俺が女装してお前を見返すつもりだったんだ。ごめん、試すような真似して」
男の子は頭の整理がつかないまま、2人は黙って帰路につく。気づけば主人公の家の前にいた。そこには女の子と主人公の姉たちそして男の子の兄がいた。
「あんた告白したの?」
主人公の姉が言う。
「まあまあそんなに急かさずに」
もう一人の姉が言う。
「聞いた?」
女の子が言う。
男の頭はさらにこんがらがる。
「言ったよ」
主人公は優しい声でゆう。
訳がわからない男の子に向かって男の子の兄が声をかける。
「あたしの連れの店でたまたま彼に会ったのよ。そこで彼の話を聞いたのよ」
そこでやっと声が出る
「兄貴はなんでここに」
「そりゃあかわいい弟たちの様子を見守りにきただけよー」
兄と姉声をそろえて
「「ねー」」
「もういいから!」
パニックになってる男の子を連れて主人公は公園へ行く
主人公が男の子に水を渡す。
「いろいろありすぎてわけわかんねー」
男の子がいうと
「そりゃあそうだろうな」
主人公が言った。
「だいたいお前が!」
主人公の方を見る。
「好きだよ」
きれいな顔で言われやっと実感が湧いてくる。こいつのこんな顔も、こいつのいいところも俺が一番知ってるんだよな、そんなのって「ずりぃだろ」
「え?なんて?」
「なんでもねぇよ、ばーか」
男の子が主人公の頭を軽く叩く。
そこに女の子がやってくる。
「やっぱここにいた!」
2人がいた公園は何か揉め事があればよく3人が集まる場所だった。
そして女の子が駆けよってきて主人公の胸ぐら掴んでキスをする。
(自分のために新しい姿を見せてくれたのが嬉しい!そう言った彼女に主人公は打ち明けた。ごめん、お前のためじゃないんだ。俺が変わろうとしたのはあいつがいたから、あいつのことが好きだからなんだ。その言葉を聞き、あいつのことが誰かはすぐにわかった。やっと本音で話してくれた。知ってたよ。私に気持ちがないことぐらい。でもあんたは優しいからずっと付き合ってくれてたんだよね。"私絶対に…)
キスをやめ
「"あんたのこと諦めないから!"」
そう言い残すと女の子は涙ぐんだ目でその場から離れる。前はそんなこと絶対にしなかった女の子を見て、主人公が女の子を追いかけようとする。しかし腕を掴まれて動けなかった。
振り向いた時、男の子が主人公の腕と体の間に手を通し、腰に手を回す。そして唇に触れる。
「俺のこと好きならあいつのこと追いかけるなよ」
驚いた主人公に
「いつも俺ばっかり振り回されるのも癪だからな」
その言葉に主人公は気づかないうちに涙がでていた。
帰り道
「お前、実は兄貴のことすぎだろ」
「は?」
「だってお前昔からお前の兄貴の話ばっかだったじゃん。多分、兄貴がお前を置いてでて行ったのが許せなかったんじゃねーの?」
その言葉は男の子の図星だった。続けて主人公は
「俺、お前の兄貴の話するときの顔好きだったんだよ。だからあんな辛そうな顔見たら、どうにかするしかねぇって思ったんだよな」
そう言われ、男の子は自分が完敗だったことに気づく。そして次のデート先を2人は決定した。
私が夢で見た話でした。