私の妹は可愛い
「ただいまー」
「お帰り~、おねえちゃん!」
私加藤紗理奈には小学生6年生になる妹がいる。名前を加藤沙苗と言い、私が帰ってくると「お帰り~」と声をかけに来てくれる。そんな3つ下の妹に私はメロメロだ。この後は、妹の宿題を手伝ってあげ、一緒にお風呂に入る予定だ。しかし、そんな可愛い妹の言葉遣いは少し変だ。
妹の口癖は「おねえちゃん愛してる!」だったり「おねえちゃん結婚しようね~」というものだ。まったく、どこでそんな言葉を覚えてくるのやら?テレビや漫画の影響かな?
まさか、本気で言ってないよね……
※※
妹の宿題を手伝うということで、リビングで勉強をすることにした私たち。さっきまで沙苗は勉強に集中していたのだが、今は私に膝枕をされている。
「うーん~、おねえちゃんの膝最高!」
「そっか~、それは良かったよ」
「うん!おねえちゃんのこと愛してる」
「おねえちゃんも沙苗のこと好きだよ~」
最近の沙苗は愛してるという言葉がブームになってるみたいだ。私のことを愛してるのか、私の膝を愛してるのかは知らないが。ただ……そろそろおねえちゃんの膝は限界です。
「おねえちゃんって彼氏とかいないの?」
「うーん?急にどうしたの?」
「おねえちゃん可愛いから……彼氏とか作ってるのかなって」
「ハハハ……そんなものいないよ」
「ふーん……そっか!」
いや、妹よおねえちゃんに彼氏がいないことを喜ぶでない。まったく、このおませさんめ。
「おねえちゃん、今日の夜ご飯はハンバーグだって!」
「良かったね~、沙苗の大好物じゃん」
「うん!ハンバーグ好き!」
うん……家の妹はなんて可愛いんだ。見ましたか皆さん、あの天真爛漫に夕食がハンバーグであることを喜んでいるマイシスターを。どう、可愛いでしょう。でも家の妹はあげないからね!
しかし、家の妹は私が膝枕をしている時、凄い「ハァハァ」言ってるけど大丈夫かな?体調を崩してないと良いんだけど
※※
私は高校2年生になり、妹は中学生3年生になった。私は中学生の時からやっていたバスケ部に高校でも入部した。うちの高校のバスケ部は県大会常連の強豪校なため、普段の練習時間も長く、休日にも練習試合を組んでいたりと忙しい。
そんな忙しい私の癒しは当然ながらマイシスターである沙苗だ。沙苗は中学に入学したぐらいからお母さんの料理を手伝うようになり、今では沙苗が家の夜ご飯を作るようになっている。
沙苗の得意料理は肉じゃがなのだが……これがまた美味しい。そもそも肉じゃがは私の大好物だし。家庭的で可愛い家の妹は男子供に大人気だろうが、誰にもやらないからな!
「ただいまー」
「お帰りなさい、お姉ちゃん!」
そんな沙苗も今は受験真っ只中なのだが、晩御飯担当をやってくれている。お姉ちゃんとしては勉強しなくていいのか少し心配だけど、前に見せて貰った通知表はオール5に近いものだったので大丈夫だろう。
……姉妹でこの出来の差よ――トホホ
「忙しいのに、いつも晩御飯ありがとね」
「うんうん、好きでやってることだから」
はぁ~、家の妹はなんて健気で可愛いのだろう。お姉ちゃんとしては沙苗を労わってあげたいところだ。
「沙苗はお姉ちゃんにしてもらいことない?」
「え、急にどうしたの?」
「日頃のお礼をと思いまして」
「別にいいのに、好きでやってることなんだから~」
「姉としてそういうわけにはいかないの、じゃんじゃん言っちゃて」
「じゃあ……膝枕して欲しいな」
「オッケー、他にはないの?」
「他にもいいんだ?」
「いいよー」
今日の私は気前がいいのだ!さぁ、もっとお姉ちゃんに甘えるがいい!
「じゃあ、久しぶりに一緒に寝ようよ!」
「うん、いいよー」
「やった!」
膝枕と一緒に寝るなんてお願いをしてくるなんて、大人びたように見えてもまだまだ沙苗は子供なんだなー。ただ、「お姉ちゃんの膝……はーは―」とか言って鼻息を荒くするのは……お姉ちゃん的にはやめたほうがいいと思うな。
そんなこんなでお風呂上りに膝枕をしてあげたら「お姉ちゃんの膝最高!……スリスリ」とかやっていた妹にちょっと引きながらも、私は約束通り今日は一緒に寝ることにした。沙苗は寝ぼけているのか、私の身体をまさぐっていたが……友達にもしてないかお姉ちゃんは心配だ。
※※
「ただいまー」
「お帰りなさいー、お姉ちゃん!」
「お仕事お疲れ様~」
私は去年から就職して、今は大学生になった沙苗と一緒に暮らしている。仕事で疲れて帰ってきた私を癒してくれる天使である。
「ご飯出来てるけど、まずはお風呂に入っちゃう?」
「うーん??」
「フフフ……それとも私??」
それはもちろん……
( ゜д゜)ハッ!
何か変な夢見た!
まったく、私はなんて夢を見てるんだ。ちなみに、沙苗はまだ私のベットで寝ていた。「お姉ちゃんとの新婚生活!」とかなんか言ってるけど……
聞こえないんだからね