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過酷な生活の幕開け

初めて書いた作品なので変な部分も多いと思いますが、温かい目で見てね!!!!

中学三年です。

目が覚めた。終わりの見えないような、花畑の上に俺がいる。

「そっか…俺は死んだんだ…」



俺の名は長谷川正人、普通の高校生と言いたいところだが…残念ながら違う。


頭はそれほど悪くはないが、去年から約一年間ニート継続中である。


毎日起きてネットやって飯食って寝るの生活を繰り返してしまっている。


何故このよう自堕落な生活を送るニートになってしまったのかというと、高校生活が始まった時の自己紹介で緊張してうまく出来ずに、噛みまくり陽キャ共に、笑い者にされ、入学一日目で引き籠ってしまった。


外に出る時は新作ゲームの発売日か、コンビニに食料調達をするかぐらいのかなり重度なニートだ。


「このままじゃだめだ」と何度か学校に行こうとしたが、朝起きるとトラウマが蘇り鍵をかけ閉じこもってしまう。 


親にはわざわざ高いお金を払ってもらって私立の学校に行かせてもらったため罪悪感で胸がいっぱいになる。


そんな人生の敗者だ…






「いらっしゃいませ!」

 店員の甲高い声が店全体に広がる。三日に一度ほどの日課であるコンビニへの食料調達だ。


母は最初の方はよくあるような手紙を添えた食事を用意し、なんとか俺を学校へ行かせようとしとくれたが、最近になると見捨てられてしまっのか、食事も作ってくれなくなった。


アニメや漫画などのニートのようにいつまでも、寄り添って優しくしてくれる訳じゃないんだなという事を思い出して他の客がいるコンビニで泣きそうになった。 


本当にたかがこんなことで泣きそうになる、自分の弱さに嫌々になる。


「またのご来店おまちしております!」

店員の元気な声を背に店を出た。


街頭の少ない薄暗い夜道を歩きながら今日話をしたのが唯一コンビニの店員だったなぁと悲しいことを思い浮かべていた。


実際は、コンビニの店員とも喋ったかどうかは怪しいところだが…っとそんなことを思っていたその時、後ろから大きい足音がした。


こんな時間にデブがダイエットでランニングでもしているのだろうかと思って、後ろを振り返ろうとすると、背中から奇妙な感覚が走った。


一瞬状況が理解できずそのまま倒れ込んだ。


「動…きが…できない。」

   

痛みがしたところを触り見てみると大量の血が付着していた。


理解した。俺はナイフで刺されたのだ。


ナイフを持って、黒いパーカーを身にまとっている人物が俺の目の前に堂々立っている。


顔は見えない、誰だ?俺は何か恨まれるようなことをしたのか?と自分の心の中で自問自答を行った。


普段はニートをしている俺だ、誰かに恨まれるようなことはしていない。


俺を刺した通り魔は甲高い声で笑いそのまま通り過ぎて行った。


笑い声を聴くと入学式の日の自己紹介のときのこと思い出した。人の笑い声にはいい思い出がないな。


とそんなくだらないことを思っていると同時に人は死に際になると走馬灯を、見ると言われているがこれがそうなのか、これまでのろくでもない人生を振り返る。


てか、友達も何もいないし振り返ることはほとんどないのだかと、そんなことを一人寂しく思っていると急に、身体の全身が熱くなり鼓動が激しくなった。


痛い、刺された直後は、あまり痛みを感じなかったが、だんだんと今までの人生で感じたことのない感覚に襲われた。


死ぬ…の…か俺は、こんな深夜の夜道に一人で?まだやり残したことは山ほどある。


彼女なんかいたことのない童貞だし。


親孝行もなにもやっていない。


本当は高校にも行ってみたかった。


大学に行って、就職して、可愛い嫁や子供にだって恵まれたい。友達だってほしい。


とにかくやり残したことがありすぎて逆にあまり思い浮かばない。


死にたくない!誰にも看取られず死ぬなんて嫌だ!死にたくない!死にたくない!死にたくない!死にたくない!






目が覚めた。頭がぼーっとする。


ここはどこだ?あまり重力を感じないような、ふわふわした感覚に襲われる。


周りを見渡す。そこには一面に呆然と広がる花畑だった。


終わりを感じさせない。


無限に広がっているのだろうか?と感じさせるほど大きい花畑の上に俺がたっている。


唐突に不安な気持ちになる。


「俺…死んだのか。」


人気を感じさせない花畑で一人そう呟いた。


根拠はない。


だか何故かそういう気がしてならなかった。いやもしかしたら死んでいないかもしれない。そう信じて僕は立ち上がって走った…



 一体何日だったのだろう。


丸三日は経過していると思う。


しかしお腹は減らないし、疲れも感じない。


夜にはならず、ずっと昼のように明るい。


やっぱり俺は死んだのだろうか?だとすると俺はこのままこの花畑でずっと一人なのだろうか?


体が熱くなり今までの人生で、一番大きい声で泣いた。 

このまま一人だということを考えると泣くことをやめられなかった。


話し相手が欲しい。


誰でもいい俺の自己紹介を散々笑っていた陽キャ共でも、俺のことをもうどうでもいと思っている両親でもとにかく誰でもいい。


誰かと話さないと寂しさで押しつぶされそうだ。


そんな願いが叶うこともなく、その日は泣き崩れてそのまま寝てしまった…。


「ねぇ…お……て」


 女の子の声がする。


「起き…っ……ば!」


 だんだんその声は大きくなる。


だか俺は寂しさのあまりに聞こえてくる幻聴だろうと無視して眠りを続行した。


「起きなさいってば!」


 左頬に激痛がはしり目が覚めた。

「痛った!」


 そう叫びながら目を開けた。


「もうこんなところで寝て、早く起きてくださーい。」


 人、人がいる。


いや…人ではないのか?


僕を叩き起こしたであろうそのその少女は、見た感じでは、俺と同じくらい約十五歳ぐらいの若い白髪であり、童顔ではあるが少し大人っぽさも感じられる、可愛らしい女の子だった。


ルックスはとても高く、俺の好みのタイプであり、少しばかりみとれてしまっていたが、落ち着いて顔をよく見ているとある異変に気がついた。


「耳が生えてる?!」


 と普段お目にかからない姿に思わず声を荒げてしまった。


その声を真近に聞いたその女の子は、少し混乱した様子で


「な、なによ!大きな声出さないでよ。耳が生えてるなんて獣族だったら当たり前でしょ!」


 とわけのわからないことを言ってきた。


 頭がこんがらがる。


「獣族?ってなんなんだよ!」


「みてわからないの?どうみたって私は獣族と人族ハーフのじゃないの。」


 ますますわからない。


「と、とりあえず、お前に聞きたいことがある。」


「聞きたいこと?」


 少しむすっとした可愛らしい表情でこちらをみてくる。


「あぁ、まず、自己紹介をしよう。」


「俺の名前は長谷川正人。マサトと呼んでくれ。」


「私の名前はレランよ。」


「まず質問、いまここはどこだ?」


 この質問に対し、レランは、呆れた顔をして、


「はぁ?なに言ってんのよ。ここは、レストポイントに決まってるじゃない。」


 そう当たり前かのように言うレラン。


「具体的にどういった場所なんだ?」


 この質問に対してもため息をつきながら、


「ここはモンスターエリアいるモンスターから身を守るために、一部に結界を張って冒険者たちが、休憩する場所よ。あんたそんなことも知らないで、なんでここにいるのよ。」


 獣族、モンスター、冒険者。


 なるほど理解した。元々進学校に受かった身だ。これだけの情報があればすぐわかる。


「俺って異世界転生しちゃってんじゃねーか!!!」


「だから、うるさいって言ってるじゃないの!…ってかあんたって異世界転生だったの!?驚きだわぁ!」


「え!転生って結構珍しいことなのか?」


 もしかして!俺って選ばれし勇者的な何かだったりするのか?!っと期待を膨らませていたが、


「確かに珍しいわね。十八歳以下で死んで、童貞であり、死ぬときの未練が尋常じゃない人の中からかなり少ない割合でしか、転生されないそうだからね。かなりのレアなことよ。」


 なにそれ全然嬉しくない。


「そ、そんなことより、俺でも冒険者になれるもんなのか?」


 この問いに対しレランは


「あーその転生した人にありがちなんだけど、なぜか男は、冒険者になりたがりなんだけど、やめといたほうがいいわよ。」


 と結構ガチの顔で俺に告知してくる。


 その言葉を聞いて、俺は、


「ぜーんぜん大丈夫だって!こう見えても俺、中学のスポーツテストでB判定だったから!」


 もちろん冒険者になる。


当たり前だろ?俺ぐらいの年頃だったらやっぱりあこがれるものだ。


 くっそ中二心をくすぐる。


「スポーツテストっていうのがなんだかさっぱりだけど全然凄くないっていうことは伝わってきたわ…」


 レランが呆れを通り越して、かわいそうという目線でこちらをみていた。


ちょっと傷ついちゃうなぁ僕!


「そんなことは置いといて、どうしても冒険者なんかになりたいの?」


 最終警告のような問いかけに対し、


「あぁ、絶対後悔しない!やっぱり男だったら危険をかえりみず、進んで行くんもんだぜ。」


 すこしかっこつけてそういった。


 レランはまたため息をついて、


「後悔しても知らないからね。」 


 小さい声でそうつぶやくようにいった。


今は、この言葉をあまり深く考えなかったが、この後あんなことになるなど、今の俺はまったく考えていなかった。


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