約束
こんにちはこの度は『転生!!と思ったら、デレデレ魔王の眷属になっていた元最強勇者』を開いてくださりありがとうございます。自分で始めて書いた小説なのでクオリティーとしては低いものとなってしまっているかもしれませんが、このような機会に多くの経験を積ませていただけたらありがたいです。また、読者の皆様にも楽しんでもらえたら嬉しいです。
「次の一撃で決める」
「だめだよ、蒼汰。もう魔力残ってないじゃん!そんなことしたら蒼汰死んじゃうよ。」
弱々しい声、そして悲痛で今にも崩れだしそうな綺麗な顔。ああ、俺だって死にたくねーよ。大切な仲間も友も皆んな、彼女以外は皆死んでいった。あいつらの屍を道にして、ここまで来た意味は何だ?ここで俺が死んだらどうなる?逃げることが許されるのなら今すぐにでも逃げ出してやりてーよ。・・・・だが、感じる。形はない見えも聞こえもしない。でも確かに後ろから何かが語っているのがわかる。奴を早く殺せ、と。
「ああ、確かにそうだな。でも、ここであいつを倒さないとこれまでのことが全て無駄になっちまう。ここで俺があいつを倒せなかったら死んでいった奴に俺は顔向けできない。俺らはあいつらの死を使ってここまで道を作ってきたんだ。ここまで来て、あいつらが繋いでくれたこの誇りと怒りを使わずに投げ出すなんて、それこそ勇者失格だぜ。」
「私がもう何を言っても変わらないんだね。」
少女は瞳を閉じ、一度深く呼吸すると今度はまっすぐな瞳で俺を見つめる。
「勇者は特殊な職業だから、教会で蘇生もできないんよね。じゃあ、私約束するよ。蒼汰がもし生まれ変わるのなら、絶対に見つけるから。・・・だからっ・・」
「そうか」
体を今一度魔王の方に向ける。
もう振り返らない。長い旅ではあった。しかし始めて自分が原因で最愛の少女を泣かせてしまった。いま振り返って彼女の顔を見たら間違いなく決心が鈍る。
「じゃあな、夏織。」
この一撃で確実に奴をこの世から消滅させる。
「魔剣解放!大気中のエーテル濃度、条件値を突破出力上昇。肉体強化魔術、属性変化を同時付与。いまここに集いし誇り高く散っていった万人の魂、そして我が魔剣よ、全てを持って世界を救いたまへ。これは人類の未来を切り開く一刀である。受けるがいい、『破剣、クレギス』!!」
空間が歪む。魔剣の通った延長線上のものは全てが消えていく。そこにあった3つの命も一つを残して消えていく。
こうして96人目の勇者、青木蒼汰は命を落とした。
「ああ、そうか。ありがとう、蒼汰。私わかったよ。今のままのあなたといれる方法。」
この時、勇者は最悪の失態をおかした。彼の魔剣の最大出力を持ってその場の命を全て摘み取るべきだったのである。人という生き物は時には愛のためには悪をもなす。
「大好き、蒼汰大好き。ずっと一緒よ。そうだ!みんなとも一緒にいたいもの。こうすればきっと蒼汰も喜ぶわ」
読んでいただきありがとうございま。
自分はまだ素人なのでうまく書けてるかはわかりませんが、皆様が書いてくださるコメントなどを生かして前進していきたいと思います。
さて、第1話ではあらすじの最後にすら到達ができなかったのですが、これから二週間か三週間に一回程度の頻度で1話ずつ掲載させていただきたいと思います。
これから八木モナカをよろしくお願いします。