↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
風の移動要塞・カーハツヴァイ エルチェの物語編
PR
67/120

第66話 セレーナ・フィール 第一階層、ガーディアン山颪≪やまおろし≫

 シズクは駆け出した脚の軽さが心地よかったか。


 異世界でエルチェと始めて走り回った火のレリクスの時のようだった。

 風のレリクスはシズクにとっては試練の場所なのに……。


 今まで行った『水のレリクス アルハンブラの浄水釜』や『火のレリクス』の試練から比べても段違いに規模の大きいレリクスだ!

 ――巨大な島一つを飛ぶくらいだ!


 シズクは一歩一歩踏みしめ駆ける!!


 『……怖い……怖い……怖い――!』

 『……でも!でも!でも!』


「私はエルチェの為にここで立ち止まる訳にいかないんだ――!」


 シズクはガーディアンの懐へ飛び込む!

 背中から暖かい想いを感じる!

 向かう気持ちを支える想いがシズクを集まり後押しする。

 シズクの体に周りには『風の精神』が絡みつく!

 

 抜刀したシルフィード・ソードに精神を絡め取り集中させる……!


 シズクはガーディアンを打ちのめすイメージを想い描く……!


「イージスの欠片!」

 シズクはイージスの欠片をシルフィード・ソードに纏わせた!

 シズクの想いで風の精神とイージスの欠片を結びつける!


 羽のように軽く、ガラスのような切れ味のシルフィード・ソードに『重さと強度≪土属性≫』が加わった!



「シルフィード・ソード……私の想い――乗れ!」

 シズクは剣をガーディアンの腹めがけて振り上げる!

「……通れ!!」


 シズクはシルフィード・ソードでガーディアンの胴を打つ!

 

 ――ズガン!

 ガーディアンはよろける!

 ダメージは通らない!!


「まだ!!!」

 シズクは続けざまに連撃を入れる!!


 ――ズガン!

 ――ズガン!!

 ――ズガン!!!

 ガーディアンは転げ回った!!


 しかし!ダメージは通らない!!

 ライブラでHPゲージが丸見えだ!

 見えるHPがシズクの心に重くのしかかる!!


「なんで!どうして!相手を圧倒できているのに!」


 ――ギギギ!ガガガ!!


 ガーディアンは再び立ち上がりシズクを襲う。

 拳を振り上げシズクを潰すように振り下ろした!!


 間一髪の所でシズクは拳を避ける。

 ――振り下ろされた拳が地面に突き刺さり、地面が割れた!


「こんな大振り当たらな……――!」


 ――シズクは一瞬で視界の色が飛んだ!!

 しかし意識はハッキリしていた!


「シズク!真正面過ぎる!」

 シズクの体は空に飛ばされていた!

 

 シズクはガーディアンの気配が足元から感じ取る。

 気配の方を観るとシズクが避けた右の拳の後に繰り出された左手側の拳が空を切っていた!!


 ガーディアンは空を切った拳の反動で、足元がよろめいている!

 その拳の上にちょこんと日花梨ヒカリは乗った!

 よろめいているガーディアンの拳の上で日花梨ヒカリは『デスサイズ』を肩に乗せていた。


「うんもーシズクちゃん、戦闘経験が無いんだねだね!」

 飛ばされたシズクを下から眺めながら日花梨ヒカリは笑顔を魅せる!


 シズクは自身に絡まりつく風の精神に違和感を感じる。

 光の糸のようなものが絡まっていて、糸の先は――。


「シズク!あのカウンター貰ってたら死んでたわよ!」

「これは……ゲームじゃない!想いや勢いだけで乗り越えられる程甘くない!」

 ミカがシズクを空に引き上げてくれていた!

「死神ちゃん!その雑魚片付けといて!……シズクは説教だ!」


 日花梨ヒカリは肩に乗せていたデスサイズを構える!

「ほいほーい!切り刻むかなかな!」


 日花梨ヒカリはシズクに『よく観ておくようにと』見せつけるように『デスサイズをフリフリ』した!

 ――シズクはジト目をする……!


「アレって……死神の鎌ですよね?」

 チート過ぎる武器を見せつけ自慢されたか?っと感じた?


 日花梨ヒカリはバク転をしてデスサイズえを振り上げ……!


「ギロチン!4連撃!!」

 

 ――シュイン!

 ――ギュイン!!

 ――シュイン!!!

  ――ギュイン!!!!


「ちょおお!死神ちゃんTP≪テクニカルポイント≫溜ってなくてサイドワインダー!撃てないって!!」

「号令の笛ならしてよ!……というか弓持ってないし!」


 シズクは日花梨ヒカリとミカが何をやりたかったかは全く理解出来なかったが、仮にミカがTPが溜っていたとしても、サイドワインダーは撃つ必要がなかった。

 日花梨ヒカリは関節部位を的確に刃を入れ、手足頭をバラバラにしたからだ!


「えええ!そんなのアリ!?かなかな!」

「賽銭ドロボーちゃん、連携スキルなんて事創造しちゃう系?かなかな!チート過ぎるよん!」


 ――日花梨ヒカリとミカが何をやりたかったかは、全く理解出来ない!

日花梨ヒカリもかなりのチートだ。


 バラバラになったガーディアンの胴体めがけて、ミカは天之尾羽張あめのおはばりを投擲した!


 ――ズギャーン!

 ――ガーディアンの強靱な鎧を貫きコアを射た!


「て、てかさ!そのチートソード投げた一瞬で終わったんじゃないかなかな!?


 ガーディアンのボディーが分解していく……!

 分解された部位が中央を貫いたコアへと収束していった!


 ――キュイーン!

 コアを中心に風の精神が集約し≪風のスフィア≫へと姿を変えた!


 ミカは突き刺さった剣の元へシズクと降りる。

「ほいっと!」


 ミカは天之尾羽張あめのおはばりでピンッっとすくい上げて手でキャッチした。


「回収!回収!一個どれくらいで売れるかな?」

 ミカは悪い顔をしている……!


「ミカさん……助けてもらってありがとうございます……」

 シズクは丁寧にミカに礼を言いつつ右手を出した……!

「風のスフィアポケットから出してください!」

 シズクはドサクサに紛れてスッとミカが自分のポケットに入れたのを見逃さなかった!


「ええ!……助けたじゃん!一個ぐらいいいじゃない!」

「これ一個で高野口のコンビニでvTunesカード1万円分買えるのに!」


 ――ズギャーーン!


 とてつもない音がシズクの背後で響いた!

 ……と、共に『ピーン』っという宝石と宝石が当たった様な綺麗な音が鳴り響き……。


 シズクの右手の上にミカがポケットにさりげなく入れた≪風のスフィア≫と同じ大きさのスフィアが手のひらに乗った!


 そしてシズクの目の前にスッと花梨カリンが着地した!


「……ふむ、意外と手こずったな……」

 息を切らすことなくクールな表情をし、花梨カリンは金髪の髪を左手でといた!


「おお!……さすが花梨カリンちゃん!ホント人間なのかなかな!」

「普通、倒せないよん!一応、こいつら神器みたいなもんだよん!」

 

「……ふむ、そっちが神器なだけで、龍と始末したのはたかが『木魚』みたいなもんだ……」

「毎日ガンガン叩かれて割れない耐久性の高い塊みたいなモンだ……」

 花梨カリンはかなり際どい表現をした事に合流した龍がツッコミを入れる!

「姐さん、木魚ではなく金属っぽいボディーだから『リン』ですぜ!」


「……ふむ、そうか。まあ、どっちにしても無事成仏した!めでたしめでたし……」

「シズク、そのスフィアは『エルチェの想いを紡ぐ時』にで使うといい」

「それは人のセカイには持て余す代物。はっきり言って『輪廻側』には持ってこられると困る」

「普段我々だけでここに来たときはスフィア?にはならず、このセレーナへと蘇み……帰るのだが……」


 花梨カリン達がセレーナ・フィールで討伐した際にはこのレリクスへと帰って行くようだ……!

「そうなの……ですね」

「やっぱり私たちは『イレギュラー』になるのですか?」

 シズクは簡単に説明を求める。

 花梨カリンは普段高野山・カーハツヴァイで『外道』を相手に探偵業を生業なりわいとしている。

 シズクが最初に花梨カリンと接触した時に大門前で警告されたからだ。


「……ふむ、我々側から観たら『外道』……『イレギュラー』だな」

「だが、今、龍も私もだが『中二病』の加護の元行動している事になる」

「一時的ではあるが、『二律背反』……『アンチノミー』のセカイ側の使者として動いているからな」

「……とりあえず、強化スキルのお陰で『右手の暗黒』が!的なパワーが非常に鬱陶しいのでさっさと片付けよう……」


 『クールで可憐で小柄な英国美少女』に『ミカの加護』が悪態を働き始めた……!

 厄介な事に右手どころか体全体が通常の3倍≪可変が可能≫に強化スキルかかっている。


「ふっ!ふっ!ふっ!……やっと我の秘めし暗黒龍の恐ろしさ……身にしみだしたかね!」

 ――ミカの背後から後光が光輝く!!

「うっ!ヤメロ!!私の身が焼かれる!!」

 ――ミカの秘めた太陽の力で自らの暗黒を焼き払う!


 シズクだけでなく、花梨カリンりゅうの3人が口を揃えて……。

「めんどくせ……」

「……めんどくさいな……」

「嬢ちゃん面倒くさいな……」

 日花梨ヒカリだけは反応が違った!

「あははは!面白いかなかな!」

「私でいうところ自分で殺して『レイズデッド』かけちゃうみたい系?かなかな?」


「……ふむ、とりあえず中二病大道芸はスルーして先に進もう」

「この先、『空岸沿いの道』を進み、『レンガ作りの砲台跡地遺跡』を通る」

「途中、ガーディアンが二体ずつ今と同じように出没するだろうが、何とかなるだろう」

「いくぞ!龍、シズク!」


 花梨カリンの合図と共に、シズク達は『レンガ作りの砲台跡地遺跡』を目指して歩き出した。

 少し言葉数を失った表情をみせながらシズクは花梨カリンと龍と共に歩き出した。


 『ほんの一行程』距離を置き、ミカと日花梨ヒカリがシズク達について歩く。


「ねえ、ミカ……ちょっとプレッシャーかけ過ぎたんじゃないかなかな?」

 日花梨ヒカリはミカに寄りシズクに気付かれないように話しかけた。

 ミカは察して日花梨ヒカリと語り合う。

「死神のくせに……まあ、シズクは真っ直ぐ過ぎるのを少し軽るんじてた……」

ミカはシズクの脚元を観る。

「……まだ震えが止っていないじゃないシズク」

「歩いて行くのがやっとか……」

 日花梨ヒカリはデスサイズを肩の上でポンポンと肩たたきの代わりに使いながら返答する。

「シズクちゃんは肩に力入りすぎかなかな?」

「まあ、判らなくもないけど……自分の大切なパートナーをロスっちゃんだからね……」

花梨カリンちゃんは……痛いほどシズクのキモチが判るからスッゴく入れ込んでるよん」


「まあ、私のせいだけど……あの災悪を救った代償だからね……」


 シズクを助ける花梨カリンにはシズク同様『想いを取りこぼした過去』があるようだ……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。