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本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
超未来都市 NIISSA<ニーサ> カグツチ編
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第105話 ぽんぽこ日和⑩

 土の神一派のメンバーからは、『チズミ』と『奈良』、そして『土の神委員会』の協力を得ることになった。


「……ふむ、何故だ?お前らは『火の神カグツチ』に力を貸しているのだろう?なのに我々の……まあ、シズクに協力する?」


 花梨カリンは当然、その疑問符を突く。

 ――自称では無く、れっきとした探偵である!


『まあ、その疑問は、別にチズミでなくもて私でも判るわ。土の神委員会は常に「常勝と上昇」を求む組織だからよ。永年、地下に存在を堕として生活している民特有の症状よ』

 ――なかなか理解に苦しむけど、多分信念があるのだろうと。


『さすが、奈良ならさんですね。よく判って頂いてます。そう、我々「土の神委員会」は高みを目指す民、まさか自分達が作ったエスロクと火の神カグツチの防衛システムが最強過ぎて困っている!何てことは無いです』

 ――なんと!手に負えない程の兵器を作り上げてしまった!


「うーん、確かに。あのカグツチさん所の『防衛ロボ?』は最強過ぎるのと、『リムさん』を捕縛する必要があるわ」


「……シクズ?……聞き間違いでは無いだろうが、『ほばく……』とか言わなかったか?」

「――シズク!私がいるのに!?何考える!!」

 シズクは、つい本音がポロッと出てしまった。

 誤魔化すかのように、デザート・イーグルを二丁出した!

 チズミにそのうちの一丁を渡す……時に、さりげなくスフィアカートリッジを弾倉から取り出しておいた。


『へぇ……モデルガン?でもなく、本物でも無い。よく出来ているわ?。それで、コレ用の弾丸と弾倉は?』

 チズミに言われて、シズクは『弾倉から取り出したのとは別のスフィアカートリッジ』を投げて渡す。

 チズミはパッと左手で受け取ると、右手に持っているデザート・イーグルから弾倉を外し、左手に持っていた弾薬を軽く上に投げた!

 宙に浮いたカートリッジを取り出して左手で持った弾倉をタイミング良く充ててカートリッジを装填した。

 鮮やかに弾倉を銃に戻して、研究室の窓から表にぶっ放す!!

 ――カシューーーン!!!

 鮮やかな雷の閃光が走る!!

 この間、役6秒だった。

『ふーん……よく出来る……でも、シズクさん。何故、今、別のカートリッジを私に渡したのですか?』

 これだけの芸当出来るチズミにシズクは驚くき、花梨カリンも驚く。

 ただの素人ではないようだ!!


「企業秘密の塊です!」

 誤魔化すかのように誤魔化さなかった!

「――シズク!オーバーロードカートリッジ渡さなかったのね!!」

「――私の使ってるのは、そうそう渡さないわ!下手したら核兵器級の精神爆縮砲放てるスフィアカートリッジ弾なんだから。あと、1発が高い!!相手もMAP兵器持ってるんだから」


『まあ、でも、倒せない理由は判った。』

『あと、シズクさん。貴方ではカグツチどころか、トモカに絶対に勝てないわ』

『威力とか攻撃力とかそう言う問題でなくて、「次元が違う」のよ。説明、一応するけど……』

 チズミの端的な説明によると、『神であるカグツチ』と『従者であるトモカ』は言ったとおり『次元が違う』。『上位次元』のセカイに居る関係で『下位次元』のシズクには絶対に倒せない。そして、厄介なことに『カグツチとトモカ』は『後方互換持ち』らしい。


『まあ、判りやすくすると『シリーズ物のRPGの続編で前編の武器がひのきのぼうになる』的なアレなの。だから、尻尾巻いて逃げるか、トモカに頭下げて謝るかの2択よ』


 シズクはギュッと右手を握りしめて前に突出す!

「あり得ないです!絶対に勝ってリムさんを救って仲間にするんです!」

 ――シズクの意思はあらぬ方向へ行っていた!

「――シズク!!倒して帰る事より、ドールのリムをお迎えする事に切り替わってる!!何考えてるの!」


 シズクは考えない。そう、ならば、上位次元へ到達すれば良いと!


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