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本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
超未来都市 NIISSA<ニーサ> カグツチ編
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第103話 ぽんぽこ日和⑧

 精神の並列化に関しての話が盛り上がり始めていた。


「さっきも話したけど、ギガフレアの威力を1000と仮に定義した場合、ファイヤーは1とする。威力は千倍だけど、発動する為の精神量は10万倍必要となる」

「だけど、それをファイヤーのもう数段上の効率の良いフレイムボムを並列発動させてぶっ放すとギガフレアまでは行かないけど同等程度の威力を発動できるってこと」


「ただ、それは精神魔法とは言えないわ。この世界の理ではあり得ない事」

「だけど、シズクさん。私達のセカイでも同じようなことがあるでしょ?」


 っと、話を振る素振りだけして、チズミは続けて答えようとした。

 先程、自称物知り博士が出す嫌なクイズを出し方を注意されたからだ。


「シズクさんなら解に既に到達してそうだけど、『内燃機関』と考え方は似てるかな?」

「ロケット部のエスロクがメチャパワー出るのは、エンジン自体に『火の加護』と『精神』を付与しているの。さらにターボチャージャーとラジエーターには『風の加護』、そしてラジエーターに使用するクーラント液には『水の加護』を付与した聖水をしようしている。ボディー剛性にも当然、『地の加護』を付与した」


「このセカイの理……と言うほどでもないわ。常識的には1武具に対して1属性しか付与しない考えがあるわ」

「ところが、我々のセカイでは『一つの道具に対して数千ものパーツを組み合わせ』をして1として成立している道具なんて星の数ほどあるわ」


「極論で言えば、シズクさんの持つ武具は単一属性だけど、例えば、グリップの部位に土属性、刃の部分に風属性を付与したりとかも出来る」

「でも、それでは武器として精神の統一性がなくてバランスが悪くなるかもしれいし、良くなるかもしれない」



 チズミはエンジニアによくある『話しだしたら止まらないゾーン』へ入っていく。

 一呼吸するのに、一口のお茶を飲み話を続ける。

「高度にピーキーに仕上げた武器は確かに高性能を引き出せるわ」

「ただ、それが武器としては優秀かと言われたら『ノー』よ。やはり剣には一体として風属性を付与しているシズクさんのシルフィードソードの方が扱いやすいわ」


 シズクはシルフィードを抜刀してみる。


 とても軽くてしなやかなのに鋭い切れ味で魅せる一品だ!

 強度も逸品だ!劣化もしない。


「たしかに、シルフィードダンスのスキルを使う時に、私でも桁外れの多段攻撃出来ちゃうもんね……」


 テーブルに出されていたリンゴを空中に投げ……!


「シルフィード・ダンス!!!」


 シズクはスキルを発動した!

 リンゴは見事に8等分された!

 

「……ふむ、秘技、食パン斬りに似て非なり」

 花梨のパン斬りとはどうやら違うようだ!


「……食パン斬りは1回の太刀で切っているからな」

「……シルフィード・ダンスは8連続の多段技なのか」


 チズミは若干冷や汗を流した。

「まあ、スキルや本人の技量が大きい場合は、サポート武器の方が良いってことを体現してくれた……ってことで。なので武器自体はシンプルの方が良い例ね」


「ところが、MAP兵器級になると技量より効率になるわけ」



 シズクはMAP兵器で思い出した武器を取り出す。


 ――デザートイーグル風銃だ!

 カートリッジ式タイプを使い、スフィアバレットを活用した武器になる。シズクの精神とバレットの属性を使った無差別殺戮兵器にもなる!


 但し、1発撃つとクールダウンとスフィアバレットをロストする。


「って、見せてもらって良いです?シズクさん」


 シズクから渡されてた銃をまじまじと見る。


「なーるほど……原理的にはその属性の魔法を、例えば火属性ならファイアーを詠唱なしでどデカいのを1発撃っちゃう武器ね」


「とりあえず、このデザート・コンコルドをなんとかしないとね!」


「やめてよ!私のデザート・イーグルを廃業させる気!!」


 シズクはチズミに音速でツッコミを入れた!


「ま、まあ、このダブル・イー」


 シズクはジト目をキメる!


「デザート・イーグルね……を、アップデートしましょう!」


 シズクとチズミは練習を兼ねてデザート・イーグル(風)を改修することになった。


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