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本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
超未来都市 NIISSA<ニーサ> カグツチ編
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第99話 ぽんぽこ日和④欲望と裏切り

「シズクさん、それでここに迷いこんでしまったきっかけとか原因とか……覚えてます?」

 ――小さな声で……。

「……元のセカイに返す気は無いですが……デュフフ」


 残念ではあるが、シズクには心当たりが大変沢山あるようだ……。


「はて……私何かしたかな……?」

「全く身に覚えが無いわ!」

「竈山神社方面に花梨カリンさんと走っていたら、いきなりオープンカーに乗った人にカメラで撮影されたらここに迷い込んだわ!」


 必要以上に情報を公開しない現在のスタイルを貫くシズクのようだ!


 しかし、顔から血の気が一気に引き、青ざめる!

 心当たりが大変沢山あった!


「ま、まさか?……ね……ロケット部と揉めてない?……こと無いわ!!?いや絶対的に揉めてるよね!!!」


 そりゃそうだ。よく考えなくても、『水槽楽部の御大将』の花梨カリンと共に行動している。

 ロケット部と紛争に巻き込まれていないと発言した方が嘘くさい。


 スタバのドライブスルーにバイク集団でお持ち帰りをするような非常識集団だ!近年では琵琶湖でワニを釣ったとかで報道番組荒し、東京のアクアリウム大会で特別賞を受賞した結果、セカイが滅んだという。



 ――結果、この地下空間が仕上がった。



 正確に言えば、『セカイの綻び』であって、セカイは本来は崩壊していない。

 『災悪の時』は回避する事は出来たが、『去年の12月10日~来年の12月9日』の間の時間軸にカグツチと『私たちのセカイの住人』は隔離されてしまっている。


 ――誰かの夢物語の閉鎖時間軸に堕ちて出られない現象に災まれている。


 ただ、カグツチ達は『時をリープ』する事はない。時間とい概念が曖昧だからだ。


 しかし、『私たちポンポコ』は『去年の12月10日~来年の12月9日』をリープし続けている。


 どっかの馬鹿・・が描いたセカイの『神隠し』に堕ちてしまった。

 その馬鹿な『神』をとりあえずぶっ殺して、中途半端な時間に囚われている現状を打開するのが当面の目標と『土の神とカグツチ&ロケット部』は動いている。


 そして、我々『土の神一派』はカグツチの『火の一派』との連携をしている。土の『神』一派と言っているが、火の神一派のように『明確な神』は存在しない。神側の都合でそういう建前にしているだけで、本来は『大地の民』だ。大地の民の総長として、『田貫 チズミ』が仕切っている。


 ――大地の民は『科学者』だ!

 物理学、化学、生物学、天文学を使う。

 

 神で無いので、『神のルールには縛られない』。ただ、セカイの理に縛られてしまって脱出出来ないでいるのが現状だ。


「シズクさん……何やらかしたの?……水槽楽部のバカは……」

「ロケット部と抗争してるのは知ってるけど……」

「シズクさんも注意しないとあの非常識集団といると何回死ぬか判らないわよ?」


 シズクはポーカーフェイスぽい感じで……。


「はて?私たち何かしたかな?ちょっと神社の鈴をカーン!っと鳴らしただけだど?」



 ……カグツチ達にカチコミをキメて仕返しされてこのセカイへ来たと!

 察してしまった……。


 ただ、そうなると不明な点が1つ、いや、矛盾が発生してしまっている。


 『花梨カリンは輪廻側の人間だ!』


 このセカイの理に反している。

 花梨カリンは神ではない。セカイに縛られているはずだ!


 ――セカイを移動できるのは神だけだ!

 神以外の『ただの人間』がここには来ることは出来ない。


 ――それが出来るなら、私たちは帰ることが出来るからだ。


 っと、思ったが、『シズクが神で花梨カリンが眷属』なら神族に属して移動できてしまう。


 何故なら、『神器を使って神殺しの力』を使われたとシズク自身が……。


 『自白したからだ!』


 ――カメラで撮影されてから、ここ来た。


 そのカメラは『花神ミラ』の神器であり、そのカメラを使ったのが『水城 トモカ』で、カメラは『神の力』を捉える。


……。


「最悪だ……。よりにもよって……シズクさんだなんて……」


 私が、敬愛する……。

 シズクさんを堕とすためにNIISSAに招いてしまった。


 私は……瞳を閉じ……。


 一瞬の迷いもなく……。


 決断する……!


「大体シズクさんの置かれている状況をシミュレーション出来たわ!」


眼をグッと開き……決断する……!

 

「全力でカグツチ達をぶっ潰しましょう!」


 シズクへのドブのように汚れた漆黒の心が、田貫 チズミの陰部をベットリ濡らして歪にひん曲がりきった欲望が……。


 ――悍ましき原動力として解き放つ時が来る!

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