表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リメイク版 俺とあいつの変わった日常  作者: 龍聖
第1章 変わった日常の始まり編
3/5

第2話 突然の転校生

 朝の通学路。朝の通学路はとても静かで気持ちのいい風が吹いていた。

 なんで朝からこんなにも疲れなきゃいけないんだろう。ミラとララが裸で俺の部屋にいたことには結構驚いた。俺も勇者の時の格好だったしな。

 それに時間が止まってたのにも驚いた。止まっていた時間は俺が向こうにいる間。それだけが分かっている。

 そして今一番の問題は勇者の時の能力や体格とかがそのまま残ってることだ。だってこっちではたった一日しか経ってないのに次の日に急に体格が変わってるなんて絶対変とかおかしいとか思われる。

 それに向こうに約一年間ぐらいいたから俺の身長とかもかなり伸びちゃってるわけで。

 妹と俺は双子の兄妹だ。学年も一緒。だけど兄妹なのでクラスは当たり前のように違う。しかし通ってる学校は一緒なんですよ。今日は俺が寝坊したので一緒ではないが、普段はいつも一緒に通っている。だからいつも一緒に通っているんだけどよく他の男子には「お前の彼女?」とか言われる。そのたびに違うと言ってるので普段から疲れるわけで。

 俺が学校に行ってる間はミラとララは留守番。服とかを持ってないのに外を出歩かせるなんてできないし。それにこっちの世界の人間じゃないとか他の奴にばれたらまずいじゃん?

 そんなこんなで学校に着いた。自分のクラスに行くと教室が騒がしいことに気づいた。どうやら転校生がくるらしい。現在の時間は6月。こんな中途半端な時期に転校とは珍しいことだと思う。

 …で、みんなの視線が俺に向いてるのはなんでだ?大方は予想がつくけれど。


「神門君、昨日とは比べ物にならないってくらい変わったね。一瞬別のそっくりさんかと思っちゃったよ」


 そういって俺に声をかけてきたのは神無月かんなづき ゆう。見た目は完全にショートの女子ってくらいの顔立ちをしている。体つきもスラッとしているが気持ち女子に似ている。特にあの部分が。何処とは言わない。それもあって俺もよく女じゃないかと思っているが男らしい。(神無月談)


「よう神無月。そんなに変わったか?俺はそうは思わないけど」


 流石に魔王を倒しにファンタジー世界に行ってましたなんて言えるわけがないので誤魔化した。

 そして今気になっていることが一つある。


「なあ、神無月。なんかクラスや廊下にいる女子の視線が痛いんだけど何か知ってるか?」

「多分だけど、その人たちはみんな神門君に一目惚れしたんじゃないかな」

「一目惚れ?」

「うん。神門君が優しいことは二年生みんな知ってる。そんな神門君の体つきが昨日とは全然変わってる。それになんか顔つきも気持ち変わった気がするし。昨日とは全然違ってたから好きになったんじゃないかな」


 俺が優しい…か。俺はただ困ってる奴はほっとけないだけだから手伝ったり相談にはのってたりとかはしていたりはした。だとしても俺はそんなにできた人間じゃない。俺は…。

 そんなことを考えつつ神無月と話をしていると朝のチャイムがなった。みんなが席につき先生が入ってきて朝のホームルームが始まる。


「えー、今日は転校生を紹介します。さあ入って」


 入ってきた転校生を見た。その姿はなんか見覚えがあった。それもそうだろう。何故なら…


「えーと、ララと言います、皆さんよろしくお願いします」

「ミラです。分からないこと沢山あるけどよろしくね」

「ミラさんとララさんは家の事情で転校してきました。皆さんなかよくしてあげてくださいね」


 そう、そこにはミラとララが立っていた。あいつらは確かに家で留守番をさせたはずだ。服がないのと転校手続きを済ませてないからだ。

 それなのになんでここにいるんだよ。けど、これが現実である。諦めろ、俺。他人のふりをしよう。そうすれば何事もなく学校生活が送れる。そんな考えはすぐさま甘かったと思い知らされた。


「おーい、徹!」

「神門~!」


 みんなの目の前でそんな大声で俺の名前を呼ぶな。目立つうえに知り合いとか思われるだろ。

 それはともかく、ミラはなんでさりげなく俺を徹って呼んでるんだろう。

 そして席が俺の横と前。俺に静かな学校生活も送らせてくれないのか。全く酷い話である。


「お前らは俺を呼ぶんじゃねぇ!」


 分かってはいたさ。クラスの男子のどす黒い視線が俺に向いてる。ホームルームが終わったら俺は殺されるんじゃないだろうか。それよりもこいつらがここにいるのが俺にとって不幸だ。


「なんでお前らがここにいるんだよ」

「だって徹においていかれて、家の中じゃ退屈でつまんなかったんだもん。それに徹は私の…婚約者だし…」


 …は?俺とミラが婚約者?俺は婚約などしていない。朝のやりとりで何処をどうすれば婚約なんてなるんだろう。


「してないだろ、婚約なんて」

「神門忘れたの?向こうの世界の婚約する時の条件」


 ララに言われたからとりあえず考える。正確には思い出してみるだな。


「えーと、確か…相手の胸を…触る…」


 思い出した。そうだ、相手の胸を触ると婚約になるんだ。何故こういうことをしたら婚約なのかは知らない。俺も向こうにいた時に不思議で王様に聞いたことがあった。王様曰く、先代の王様がそうしたらしい。先代の王様ってそんな願望があったのかと知った瞬間だったな。

 そして今朝。俺は確かにミラの胸を触った。布団の中にいたこいつがなんなのかを知ろうと思って手で漁っていたあの時だ。しかも向こうの世界では、婚約を断ったら何故か死刑である。


「死刑なんて嫌だー!」

「どうした神門。死刑がどうかしたか」

「あ、いや…なんでもないです。市警は優秀だなーって。あはははは」


 ついつい我をわすれて叫んでしまった。それにしてもどうしてこんなことになってしまったのか。前の俺の生活からは考えられない位変わっている。

 前は静かな生活の日々だったのに。今は向こうの世界のお姫様と魔王の娘がこっちにきていて、さらにはどさくさに紛れて魔王の娘と婚約までしている。

 これ以上向こうの世界のやつらとかきてないよな?きてたら俺はもっと静かじゃなくなる気がする。頼むから来ていないで欲しい。

 こうして俺の学校生活から理想にしていた静かな日常は消えていくのだった。そして今日から俺の新たな生活が始まろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ