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英雄と騎士

 シェルス一行が、騎士団と合流した翌朝、不気味なほど静まり返ったウォールグに騎士団は再び入っていた。


シェルスはラスティナ、ステア、リエナ、そしてガリス隊の主力の騎士達と共に行動していた。


その中にイリーナは居ない。今日はシェバとイリーナは共に行動していた。


レコスを見つけ次第、殺すと断言したシェバ。ならば自分にも、その役目があるとイリーナは共に行動していた。


そんなシェバとイリーナの元に、ラスティナから通信魔術が届く


『では探索を掛けます。打ち合わせ通りに……お願いします』


出発する前に決めた打ち合わせ、それはラスティナが探索を掛け、例の怪しい気配の場所を通信魔術で連絡しつつ、炎弾をその場所へ打ち込む、というものだった。そして魔術師達はその正体を見極めつつ後方支援に徹する。ガリス達は状況次第で加勢か魔術師二人を守るか、その場で判断する。


ラスティナは太陽と同調し探索を開始する。そして……


『騎士団長の現在位置から北西200m、例の気配です!』


それと同時にラスティナはその方角、その気配の位置に向けて炎弾を撃ち込んだ。それを目印にして騎士達が疾走する。


炎弾が気配が隠れる洞窟の入り口を直撃した。太陽と同調した状態のラスティナの炎弾は、洞窟の入り口付近の岩を溶かし、入り口に溶けた岩が流れ込んでいた。そしてその中から、「ソレ」は飛び出してきた。


炎弾を放った張本人に向けて飛び向かう影、その影を


「行け!」


イリーナがあらかじめ顕現させた土で構成されたドラゴンが迎撃した。ドラゴンは一瞬で撃退されるが、その影は地上に降りたち、次はイリーナ達、シェバとその部下達を目指して疾走する。


「来たぞ」


シェバが言うのと同時にハルバートを構え、影に突っ込む。そのまま薙ぎ払うようにして叩き潰さんとするが……


「レコス……」


イリーナは呟く。シェバの攻撃を楽々かわす影、それは紛れもなく昨日のレコスだった。


だが中身は全くの別物……感情を殺せ、とイリーナは剣を抜き、シェバの攻撃をかわしたレコスへ疾走する。



その様子を遠目から見ていたシェルス達は……



「あれは……確かに見た目はレコスです……でも……」


レコスは、騎士団長とイリーナ、そしてシェバの部下達に囲まれているのに互角以上にわたりあっている


シェルスは歯ぎしりする、あそこに行きたいと。いますぐレコスを助けたい、でもどうすればいいのか分からない……


『おい、姫君。気持ちは分かるが……』


「わかってます……」


魔人すら、いつでも飛び出しかねないシェルスを案じていた。あの場にシェルスが行けば確実に殺される。相手は騎士団長と渡りあう怪物なのだ。手におえる相手ではない


「さて、私達は私達で出来る事をしましょう、下手に攻撃するよりサポートした方がいいわね。あと……」


リエナは暗唱の宝石を取り出す


「ほら、あの子の中に入ってる魔人はなんなの?」


魔人に分析させるリエナ、だが


『気配を殺すのが絶妙に旨いやつだ、我の知る中ではただ一人しか……いや、そんなわけは……』


「だれなのよ、その一人って」


魔人は黙る。そんな様子を伺いながら、マリスは太陽の力を騎士達に与える魔術を使用する。


「騎士達へ……太陽の加護を……」


とたんに騎士達は力が溢れる、シェバはハルバートを振る力が増し、レコスの姿をした騎士を追いつめる、イリーナはそれに合わせるように挟み撃ちにし長剣を振る。


その攻撃を間髪入れず続ける二人、周りの騎士達はそんな二人の連携についていけなかった


「情けねえヤツラだな、本当に連隊騎士かよ……俺達も行くか、モールス」


「待ってください、まだ様子見です……レコスは本気を出していません……」


そのシェルスの言葉に頷くモールス


「おい、あれで本気出してないって……」


「覚えてないのか、あれはレコスの戦い方じゃない、あいつはあんな真正面からぶつかるパワータイプじゃない、素早さで相手を翻弄する。レコスの中にいる魔人は、本気を出していない」


そのモールスの言葉を証明するかの様に、レコスは動きを変え始める


今までハルバートを打ち払わんとしていたが、シェバの攻撃をスレスレでしゃがんで躱し、そのまま疾走する。予想以上のスピードにシェバは焦るが……イリーナによってレコスの攻撃は止められる。


剣と剣が衝突する。そのまま、つばぜり合いになりレコスは焦点の合わない目で力を籠める。


「まずい……っ……くそ!」


イリーナは体を入れ変える様に、剣を残して回転するように逃げる。それをレコスは逃がさまいと剣を向けるが……その剣はシェバによって叩き折られる


「トドメだ……悪く思うな!」


シェバは武器を失ったレコスに、ハルバートの側面を叩きこんで吹き飛ばす





「不味いわね」


そんな攻防を見ていたリエナが呟いた。周りの騎士達はリエナの言葉に頷く


「シェバのやつが……迷ってるわ。レコスさんを殺すか殺さないか……」


『危険だな。もし、ヤツが……本当に……』


そんな魔人の言葉を聞いて、シェルスは暗唱の宝石を睨みつけ……


「なんなんですか! あれは! 教えてください!」


そう叫んだ時だった。後方で何か……途轍もない気配がする


「な……なに?」


『まさか……バカな……そんなバカな!』


魔人が驚愕の声を上げる



再びレコスの様子を伺う一行……そこに見えるのは漆黒の兜、そして胴体はローブで包まれた異様な気配の男が現れた。いや、男か女かも分からない。


「まさか……あれは……ちょっと、魔人……どうなってるのよ」


リエナは魔人に問いただす


『ありえん……何故だ……この気配……あの姿……紛れもなく……』


「ちょ、おい、魔人さんよ! なんなんだよ、あいつは!」


ガリスが魔人を問い詰める


魔人は一拍置いた後……その正体を口にした




『英雄、ナハトだ』





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