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元中二病の俺と友人の弟君  作者: メロンソーダガム
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俺の自己紹介

「はい、自己紹介して」


海座(かいざ) (くろ)です。親の転勤でこちらへ引っ越してきました。趣味はスポーツ全般です」


先生に促され比較的無難と思える自己紹介を行う俺、引っ越しなんて初めてなのだが高校2年だし、周りもそんなにバカ騒ぎはしないだろう。


「えーっとそれじゃあ海座君の席は窓際の列の一番後ろねわからないことがあったら隣の弟君に聞いて」


……は?弟君?俺には妹はいるが弟はいないはず……

というか、何だ弟君って、誰の弟だよ!それとも何か?弟って苗字か!?なんだ名前で苦労する仲間か?


かいざくろ。俺はこの名前が原因で中二病だったことがある。いや正直言えば中学3年位からやめたんだが広まったせいで周りからからかわれ続けた。

『闇夜を統べるカラスの皇帝、カイザークロウ』俺が名乗っていた中二な名前である。いや周りから呼ばれ続けた黒歴史である。……(くろ)の歴史じゃなくて闇に葬りたい方の黒歴史だからな?


大体なんだよ『カイザークロウ』って闇夜を統べるカラスの皇帝って痛いにもほどがある。

周りの奴は俺の事クロウ、クロウよびやがるし、得意のスポーツや勉強を必死に頑張って良い結果を出しても。「さすが闇夜を統べる皇帝は違うなあ」なんてからかわれる。


正直これはいじめじゃないかとすら思ってた。中二病云々のせいで彼女もまともに作れなかったんだぞ!これは負け惜しみとかいいわけじゃないからな!

そんな時父親が転勤になり転校する事ができたというわけだ。俺の自己紹介をしっかりとするならばこうなる。無論絶対に誰にも言わないが。


さて、本題の弟君とやらを見れば窓際の最後尾の隣の席に比較的小柄の男子生徒が座っている。あ~もしかして、ショタとかいうやつですか?先生実はダメな人ですか?

結構若く見た目もよさそうな担任の結城 瑞樹先生にショタコン疑惑を持ちながらも俺は件の弟君の方……いや、俺の席へと向かう


「よろしくね」


弟君が俺に挨拶をしてくる。これは返すのが普通だろう。


「ああ、よろしく、えっと……」


ここで弟君と呼んでいいのかがわからないのでちょっと言いよどんでいると


「ああ、僕は双葉(ふたば) (かげ)だよよろしくね海座くん」


おい!結城先生!弟成分はどこ行った!あんたやっぱり駄目な人か!


「よろしく双葉くん。それで弟君って?」


結城先生のショタコン疑惑を無くす最後の手段だろう質問をする。


「えっと、僕の姉がこの高校の生徒会長なんだ。だからみんな僕の事を弟君って呼ぶんだ」


やったね!瑞樹先生!ショタコン疑惑は見事に消え去ったよ!

でもね、先生。さすがに担任が自分の生徒を弟君と呼ぶのはどうかと思うよ?普通に双葉君でいいじゃない……


それと、双葉くん。君も抗議しなよ……


「海座くんって教科書持ってるんだっけ?」


「えっと、国語と科学は前の高校と同じらしいからあるけど他はまだ」


「じゃあ1時間目の数学は机をくっつけるね」


弟君はどうやらいい子みたいだ。クラスの一部の視線が来ている気がするが……これは転校生である俺に対して来ている興味本位の視線でいいんだよな?弟君に近寄ってることに対する敵対的な視線じゃないよね?


朝のHRが終わり、休み時間になる。先ほど言ったように次は数学で移動は無い。こうなると……


「ねえ海座くんはどこから来たの?」


そう、こう喋りかけてくる奴が出てくるのだ。ちなみに弟君はいつの間にか席を離れている、ここに人が集まるのをわかっていて逃げたのだろう……意外とちゃっかりしてるのな


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