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魔法使いと私  作者: りきやん
知らないことが多いです

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07

師匠とルーカスさんが出掛けている間、私は日課になっている庭の面倒を見に外へ出た。

スノウがぴょんぴょんと跳ねて、花壇の植物を興味深そうに見つめているのを見つけて、私はその前にしゃがみ込む。


「何やってるの?スノウ」


スノウのいる花壇に近づいてから、私はふと異変に気づく。

植物が、中途半端に齧られているのだ。

スノウがやったのだろうか?

一瞬頭を過った考えに、私は首を横に振る。

スノウは果実かパンしか口にしないからだ。


「ピィ」


見て、というようにスノウが鳴いた。

きっと、私に知らせてくれているのだろう。

ここの世話をしていることを知っているから。


「ありがとう、スノウ。一体、どうしたんだろう?」


そこまで甚大な被害ではないけれど、齧られた植物はもう使えない。

何かの幼虫にやられたのだろうか?

私は、じーっと被害を被った一部であるサンパウダーを見つめる。

サンパウダーは森の奥にしか生息していない、魔力を持った貴重な植物なのに。

よくよく見てみると、葉の部分は無事のようだ。

花だけが、見事に食い荒らされている。

ドライワームならば、花だけでなく、葉もやられているはず。

花だけを齧るような害虫はいただろうか?


うーん、と私は頭を捻ってみるが、どうしても分からない。

私は立ち上がると、スノウを頭の上に乗せて部屋に戻る。


「えーっと・・・どこだったかな」


ガーデニングの本を見れば分かるかもしれない。

そう思った私は、リビングの本のタイトルを指でなぞって行く。


あった!


私は、一番下の段にあったそれを手に取ると、ぺらぺらと捲る。

害虫の項目で、被害は花。

案外手間取ることなく、それは見つかった。


「フラワーラット?」


む、と私は眉を顰めると、その欄にさっと目を通す。


どうやら、花を食べる魔物のようだ。

ネズミにそっくりな姿。

花以外を口にすることはなく、特に魔力の篭った花を好んで食す。

食べているものの影響か、体臭が非常に良いらしい。

ネズミなのに、良い匂いがするってこと?


「変な生き物だね、スノウ」


頭の上に同意を求めれば、ピッ?と、スノウは首を捻る。

何が?って言っているのだろうか。

まぁ、文字が読めないのだから、分からないのも当然か。


私は本をあった場所に戻すと、再び庭に出る。

花を食べた犯人がフラワーラットだと決まった訳ではないけれど、とにかく、何かしら害を与える生物がいるのに間違いはない。

どうやって捕まえよう?

師匠に相談すれば、すぐに魔法でトラップを作ってくれるだろうけど、これくらいは自分で何とかしたい。

少しずつでも、役に立てるように頑張らなくちゃ!


私はしばらく花壇を見つめて、思案する。

魔物避けの結界を張ることができれば、一番なんだけど、それだとスノウも引っかかってしまうかもしれない。

私には、特定の生物に対して無効になるような魔法陣を張るスキルはないのだ。

だいたいにして、結界を張れるかどうかも怪しい。


やっぱり、師匠を待つべきだろうか、と思って私はぶんぶんと首を横に振る。

そんなことしたら、意味が無い。

自分が成長するための一歩なんだから、ちゃんと考えなきゃ。


「やっぱり、結界張ってみようか・・・」


スノウには、花壇に近づかないように言っておけば平気かな?


「スノウ、今から花壇には入っちゃだめだよ」


ピピッ!と上から元気のよい返事が返ってくる。

了承と取っていいだろう。

手近な枝を手に取り、花壇の周りに線を引く。

それから、線上に3つの魔法陣を描き、準備は完了。

私は、大きく息を吸う。


「侵を拒み我が領域を守れ」


サァッと青白い光が立ち上る。

師匠のに比べると、ほんともう涙が出るくらい弱々しい光だけれども、それでも、一応成功・・・したのだろうか?

まさか、スノウに花壇に入ってみてくれとも言えないし、確かめる術が無い。

けれど、光ったってことは、成功してるのかも!

少し嬉しくなった私は、頭の上のスノウに嬉々として話しかける。


「ふふん、これで明日はきっと大丈夫だよね!」


ピィ!と、スノウも返してくれる。

うん、大丈夫だよ。と言ってくれているようで、私は機嫌よくスノウを頭に乗せたまま家へと戻った。

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新作「グレーテルと悪魔の契約
ちょい甘コメディファンタジーです。
よろしくお願いします〜!
by りきやん

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