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魔法使いと私  作者: りきやん
みんな仲良くしましょうね

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20/150

08

私の言葉を信じてくれたシオンさんは、石碑の前を空けてくれる。

そして、ライトで文字部分を照らしてくれた。


「なんて書いてあるんや?」

「ちょっと待って下さいね。えーっと」


すらすら、とまではいかないけれど、私は文字を読み解いて行く。

本当に古代ギリシア語勉強しといて良かった!

師匠に馬鹿にされながらも、必死でやった甲斐があったというものだ。


今の今まで、胸ポケットに隠れていたスノウも、興味があるのか、私の頭の上に飛び乗った。

さっきまで、震えが伝わってくる程、怖がっていたのに。

その様子に苦笑しながら、私は石碑を見つめる。


「久遠の闇に閉じ込められし、最たる狂いの光を司る者。彼の者を律し朗々たる言を今此処に著さん。異の繋がりを調律し、我彼の者を解く者なり。今、新たな・・・」


そこまで読んで気づいた。

これ、何かの呪文じゃない?


ハッとした私は慌てて口を閉ざす。

けれども、かなり後半まで読んでしまった今、もしかしたら術が中途半端に発動してしまうかもしれない。

・・・私の微量な魔力で発動するならね!


「どないしたん、リザちゃん?」

「シオンさん、これ、もしかしたら呪文かもしれない!私、最後の方まで読んじゃったから、何か発動するかも!」


私の魔力が塵ほどだったとしても、それでも、万が一のことがあるかもしれない。

慌てて、シオンさんを引っ張って、私はその場を離れるために踵を返す。

突然動いた私に驚いたスノウが、頭からぱたぱたと飛び立った。

暗闇の中で、スノウは薄らと光を帯びて輝き、そして、その青白い羽根が、ふわり、と石碑の真下に落ちる。


瞬間、部屋全体が青い光を放った。


「きゃ・・・!」

「うわっ?!」


スノウが、私の服の中に潜り込むのを感じる。

閃光弾の時よりは、弱い光に、私は薄らと目を開いて部屋の様子を伺う。

そして、瞬時に「しまった」と思った。

ドーム型のこの部屋は、部屋自体が魔法陣になっていたのだ。

暗くて気づかなかったが、青い光が陣を描いている今なら分かる。

足下には、文字がびっしりと所狭しと並べられていた。


魔法陣から吹き上がる風圧に、一歩も動けない。

私が読んだ呪文から察するに、なにかの召還術だと思う。

もしかしたら、とんでもないガーディアンを召還してしまうかもしれない。


「・・・っぁ!」


声にならない叫び声を上げて、シオンさんが吹き飛ばされる。


「シオンさっ・・・!」


慌てて手を伸ばそうとした先に、シオンさんではない、誰かが立っているのが見えた。

吹き飛ばされる程の風圧ではないということは、この人物にシオンさんは攻撃されたのだろうか。

奥の方で壁に激突して、ずるずると座り込むシオンさんの姿が見えた。


「シオンさん!」


私の声は、届かない。

代わりに、何者か分からない人物がぴくりと反応した。


「遺跡荒らし!墓荒らし!許さない!許さない!」


奇妙で耳障りな声をあげるその人物。

いや、正確には人ではない。

見間違えようもない、あの白くてふわふわした・・・。


「う、うさぎ?」


ぴょん、と伸びた耳に、ぽんぽんのような可愛い尻尾。

くんくん、と匂いを嗅ぐようにひくつく鼻。


「ルーニーラビットのお墓!墓荒らしは許さない!」


何か異変があるとすれば、人間の言葉をしゃべることと、もうひとつ。

私の2倍の大きさはあることだろうか。

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新作「グレーテルと悪魔の契約
ちょい甘コメディファンタジーです。
よろしくお願いします〜!
by りきやん

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