私が痴漢にあった話
コメディーを書くのに疲れたので、エッセイに初投稿です。
私の若い頃の話です。
私が痴漢にあった話をさせていただきます。
これを読んで、痴漢の恐ろしさを少しでも知ってもらえればと思っています。
それは、大分、昔の話です。
昔の基準で言えば、すでに初老となっている私の若い頃。
私は、ピチピチの17歳でした。
今の人だと分からないかもしれませんが、当時は大型の古本屋は少なく、個人経営の古本屋が多数存在していました。
そんな、古本屋で本を見繕っていた時の話です。
何か良い本は無いかな?
そんな事を考えながら、古本屋の漫画コーナーを物色していた時です。
その店に、新たな来店がありました。
見た事もないオジさんです。
季節が夏だった事もあってか、汗だくでの来店でした。
私は、気にも留めていなかったのですが、オジさんは、すぐに私の背後に陣取りました。
私と身体を密着させる程の至近距離です。
この棚を見たいのかな?
呑気にも、そんな事を思った私は、場所を譲る事にしました。
漫画コーナーにラノベコーナー。見たい場所は幾つもあります。
別に、場所を譲るくらいは何でもありません。
すぐに別の場所に移りました。
でも、おかしいんです。
オジさんが着いてくるんです。
せっかく移動したのに、私の背後に陣取っています。
そして、『ハァハァ』と荒い息を吐いています。
オジさんが何をしたいのか分かりませんでした。
でも、すぐに分かりました。
分かってしまいました。
あろう事か、オジさんは、私のお尻を撫で始めたのです。
呑気な私も、そこで気が付きました。
この人は痴漢だ!
変態さんだ!
気付きましたが、その古本屋は人気がありません。
お客さんは、私と変態さんだけです。
レジに店員すらいないのはどういう事でしょう⁉
気付いた瞬間に這いあがる嫌悪感。
そして、身体を硬直させる様な恐怖。
今でも忘れられません。
悲鳴すら上げられませんでした。
どうする事も出来ない私は、意を決して、走り出しました。
見繕った本を手に掴み、レジに向かってダッシュです。
店員を呼び出し、手早く会計を済ませて店を飛び出しました。(買ったラノベが、ナポレ〇ン文庫という官能小説だと後で気づいて凹みました)
そして、店の前にとめておいた自転車に跨って、全力で漕ぎ出しました。
行く先は、近くにある、少し大きめの古本屋でした。
そこなら、お客さんも店員さんもいるはずです。
そこに向かって、全力でペダルを漕ぎました。
恐怖に突き動かされ、ペダルを漕ぎ続けました。
目的地の古本屋が見えた時、そこには、幾台もも自転車と車がありました。
人が居るのです。
その事に、心底安堵しました。
助かったと思いました。
心を落ち着けて入店です。
やはり、人が居ました。
当たり前の事ですが、とても心強かったのを覚えています。
不思議なもので、周りに人が居るだけで心は安定しました。
あれ程に怯えていたのが嘘の様です。
嫌な事は忘れて、本を物色しよう♪
そんな事を考えながら、本を物色し始めた時です。
絶望が現れました。
化け物の入店です。
そうです……
あのオジさんでした。
キョロキョロと、誰かを探す様に視線を彷徨わせながら、店に入って来たのです。
おそらく、私が古本屋を回っているとあたりをつけて、この古本屋にも現れたのです。
もしかすると、私の自転車を覚えていたのかもしれません。
息を飲みました。
悲鳴すら上げられません。
私にできる事は、逃げる事だけです。
オジさんに見つからない様に本棚に隠れながら店を出ました。
幸いにも、見つかる事なく脱出に成功し、自転車に乗って、脱兎の如く逃亡です。
今度は、本を買う余裕すらありませんでした。
無事に帰宅できたので良かったですが、本当に怖かったです。
しばらく、その辺りの古本屋に行けなくなりました。
世の男性の大半は、この恐怖に共感できないでしょう。
でも、本当に怖いんです。
もし、身近に痴漢に怯える方が居れば、真剣に話を聞いてあげてください。
できるなら、助けてあげてください。
つき纏われでもしたら、泣きたいほどの恐怖なんです。
だから、聞き流さないであげてください。
私からのお願いです。
……そして、もう一つ、言わせてください。
とても重要な事です。
心してくださいね。
行きますよ?
………………
俺は男だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!
何で、身長180㎝近い、坊主頭の男子高校生のケツを撫でる⁉
しかも、俺は、見目麗しい方じゃないぞ!
友人につけられた歴代のあだ名は……
オークウォーリア
クリーチャー
宇宙外無機物
……だぞ!
なんで、そんな男のケツを撫でる⁉
意味が分からん!
同性愛は良い!
自由だと思う!
しかし、俺は違う!
勝手に俺のケツを撫でるな!
勝手に他人様のケツを撫でたら犯罪なんだよ!
そして、俺が見目麗しい方じゃないから、余計にガチっぽくて怖いんだよ!
ふざけんなっ!
痴漢撲滅!
痴漢くたばれっ!
痴漢撲滅!
痴漢くたばれっ!
二度と俺のケツを撫でるなぁぁぁぁっ!!!!
後日、別の本屋で……
「ねえ! 触っても良い⁉ 触っても良い⁉」
とか、言いながら、別のオッサンが追いかけてきて泣きそうになりました。
実話です。
私自身、信じたくないですが、実話です。




