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痰カスと言う名のエッセイ

【痰カス】ストレスと創作のモチベーションのジレンマ

 二週間くらい前まで、コロナとインフルを併発して割とこの世の地獄みたいな苦しみを味わっていたのですが。ようやく治って社会に復帰しました、どうもくちです。



 突然ですが、努力を努力と思わない人を天才といいますね。



 基本的に、凡人は強くなったり上手くなったりする過程を苦しいと思い、その葛藤で挫折したり成長したりするワケです。

 しかし、天才は苦しみを楽しいと捉えるイカれた価値観を持っているため、凡人よりも多く時間を努力に注げてしまう。



 だから、烏合よりも早く強く頭角を現せるのです。才能とは、決して最初から上手に出来ることではなく、過程を楽しむ感覚のことなのだと俺は捉えています。



 いや、テメーはいつまで与太話をしてるんだよ、と。早くジレンマとやらを語れよ、と。これを読んでるあなたは思うでしょうが、もう少し待ってください。物事を説明するには前置きが必要なのです。



 この天才の感覚を、実は俺たち凡人も条件が揃ったときに手に入れる事ができます。それが、スポーツでいうところの『ゾーン』です。Gガンの『明鏡止水』やテニプリの『無我の境地』がこれに該当します。



 まぁ、例に出しておいてドモン・カッシュも越前リョーマも、間違いなく天才なのですが。それはさておき、ゾーンに入ると凡人は後天的に一時的な天才となります。



 ここはネット小説を投稿する場なので執筆で例えましょう。



 多くの凡人作家は書きたいシーンを書くまでの伏線張りや状況説明がクソダリィと思っており、なので筆を折ります。

 頭の中には相当に面白い展開があり、やっぱりみんなそれを書きたいワケです。要するに、作者にとって小説執筆(もちろん、漫画や映画脚本も同様)は、世界の構築を努力、カタルシスを描くことがご褒美なワケです。



 もちろん、一例ですが。



 しかし、そのせいで過程や世界観の説明を省き、だから説得力も魅力もない、それどころかオリジナリティすらない、どこかから設定を丸パクリして都合のいいアホキャラを設置しただけの粗製乱造ジェネリックラノベが現代では量産されているワケですから。



 言葉の強さや表現はさておき、俺の説は一定の同意を得られるモノとなっているでしょう。もちろん、当てはめるのは商業作品だけです。なろうやカクヨムは好きにやりゃいいと思います。



 因みに、混同されがちですがアイデアの才能は執筆の才能とまた別です。アイデア捻出の努力は様々なコンテンツをインプットすることです。もちろん、それくらいのことは、わざわざ俺のエッセイを読みに来るような物好きは理解していると思いますが。



 閑話休題。



 とにかく、そのゾーンに入ることこそが、凡人が物語を完結させる大事なファクターだと俺は考えています。休みをとって、ゆっくり書ける時間を作っても筆が進まない理由は努力がクソダルいからということなのです。



 ならば、問題はどうやって凡人がゾーンに入るか、なワケですが。



 ここでようやく、本エッセイのテーマ『ストレスと創作のモチベーションのジレンマ』になります。



 ここまで読めば何となく分かると思いますが、多くの場合ゾーンに入るためのスイッチはストレスです。



 少年漫画よろしく、敵にボコられたり大差付けられて絶望したり、そこで覚醒する主人公が少年ジャンプに多くいるよう、やはり人は抑圧するストレスの中にこそ覚醒するチャンスを見い出せるのです。



 普段のゴミみたいな人生に飽き飽きして、どうしようもなくなった衝動をぶつけるから小説が出来上がるワケです。そして、一般的な社会人にとっての大きなストレスとはほとんどが仕事です。



 つーか、仕事をストレスに感じてない人はそういう天才です。ほら、さっき言った『努力を努力と思わない価値観』がここでも当てはまるでしょう。



 ところで、俺は冒頭でコロナとインフルを併発したという話をしましたが。当然、長い期間仕事を休むことになりました。具体的には、二週間近くです。おかげで、給与がフルコミッションの俺は今月をクソほどの貧乏で過ごすハメになってるワケですが。



 そんなことはどうでもよく、問題はこれだけ多くの時間があったにも関わらず今書いている小説の続きが書けていないことなのですよ。



 幾ら疾病中とはいえ、部屋の中をウロウロしたり本を読んだり飯を食ったりは出来るワケで。ならば、指先をチョチョイと動かして物語を紡ぐことだって出来ないとおかしいワケで。



 それなのに、俺はちっとも書けなかった。その理由をどうしてかなぁと考えたとき、「なるほど、仕事をしてないからだ」と思い当たったという話なのですよ。



 ということは、ですよ。仕事をしたくないと思いつつ、仕事をしていなければ好きなことも出来なくなるというジレンマが凡人にはあるワケですよ。むしろ、仕事が嫌いな人ほど何か好きなことを継続したいなら仕事をしていなければならないワケですよ。



 これがルサンチマン、そして超人主義の根源なのだ! 伏線回収完了!(ここで拍手喝采)



 あぁ、人の心とはどうしてこうも欠陥的な構造をしているのだろうか。俺は、たった7日で世界を作ったとかいっておきながら、デバッグすらせず1日休んだ神様に「クソありがとう、ボケ」と感謝したいくらいです。



 ということで、本音を吐き散らしてスッキリしましたから、また少しずつ続きを書いていこうと思います。本来、この痰カスシリーズはこういう自分のダークな部分を作品に反映させないためのモノですからね。



 イヤでしょ、キャラクターが俺の思想語るなんて。なんて、様々な思惑を込めてまた一本、文章の塊を完成させた俺なのでした。



 因みに、今日は勤労感謝の日です。『俺くんいつもお仕事お疲れ様』という、寂しい自分を慰める意味も込めつつ、本稿はこれくらいで終わりとしましょう。



 恐惶謹言。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あなたが天才か凡人かどうかはわかりませんが、あなたが作る物語は最高に面白いです
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