10/8-2
空が真っ赤だった。
久しぶりに明るいうちに帰路にいる。知った人のことを思い出してもいいことがほとんどない。昔嫌いだった父親にはもう慣れた。あの人は自由に生きたように思う。誰かに悪く言われるような仕事をしてこなかったからなのか、自分は悪くないという態度が常だった。そのかわり誰かを悪者にしなければ済まない人だった。
悲しい現実だな。
父親からすれば、思う通りにいかない家族も悪者だ。よく分からない他人も悪者、自分のやりたいことを邪魔する輩も悪者。なんだ、そしたらこの男以外みんな悪者じゃないか。そう思ってからは父親は悪者を生み出す悪者に見えた。悪者の父親が悪く言うからといって、ひっくり返ってその悪く言われた人が善人かと言ったらそうもならないけれど、少なからず、何を良いとするかなんて、自分自身が考えることだなと思ったのは、この親を見てのこと。
よく見れば、大人なんてのは、結局自分がよければそれでいいと思っている人たちが大半だろう。かと言って何が悪くて何が良いことかなんて決めてかかることも変だ。
難しいことを考えすぎたな。多分いいことっていうのは、楽に生きることができる現状を継続させることだと思う。楽するために努力するわけで、つらかったら軌道修正すればいい。最近よく思う。頑張った若いころの無駄な労力を癒やすのは、結実されたこととその余韻にある慰安かなと。無駄が多かったのは、試行錯誤のためだろう。軌道修正、それは浮かれた感情の時というより落ち着いた思考の時間で行う、言うなれば睡眠に近いのではなかろうか。
私も今、睡眠のときか。




