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厄災の姫と魔銃使い:リメイク  作者: 星華 彩二魔
第六部 五章 「起点」
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「導き手」

「――なんだなんだ!? 急にでかい声出して!!」


「キャァアア!!」


 浴室の扉が勢いよく開く。

 同時にエリーは驚きの悲鳴をあげる。

 エリーの悲鳴を聞いて少年は上半身の肌を晒しながら出てきた。心配に対し、それに驚いてしまう。ついでとして、異性の肌の大半を見た状況にエリーは両目を覆う。

 

「ああ、……悪い。驚かせたか?」


「え~っとぉ……っ、大丈夫ですっ。すみません」


「謝られても困るんだが……。とりあえず何だったんだ?」


「そ、それは……」


 説明に困るエリーは目を泳がせる。

 必死に蛇を隠そうとしようとするも、エリーの肩からそれは顔を出し、少年を見た。


「へ、蛇ぃ!? なんでこんなとこに!?」


 室内に蛇がいれば、誰でもこの様に反応するものだろう。

 そして蛇は口を開く。


『いちゃわりーのかよ!? 噛むぞ!?』


「しかもしゃべった!!?」


 そう。ただの蛇だけなら先ほどの反応で終わっていただろう。

 しかし、これはただの蛇ではない。人の言葉を返すという、混乱を与えるような蛇なのだ。

 余計に状況が混乱するため、エリーは蛇の口に手を当てて塞ぐ。


「ほ、本当にすいません! 噛んだり、そのぉ~、危ない蛇さんではないので、大丈夫ですっ。はい!」


「あ、アンタの蛇なのか? それ……」


「は、はい! 私が連れてきてしまった蛇さんです!!」


「……そ、そうか。うん。とりあえずそれでよしとしとくか」


 少年は晴れない疑念を抱えながらも、なんとか納得させて浴室に再度引っ込む。






 どうにかこうにか……。とにもかくにも落ち着いたことで、エリーは深く安堵のため息を吐く。

 落ち着いて蛇と面を向かい合わせ、閉ざしていた口を解放させてやることに。

 

『ぷは~……。いや~、マジでビビったわ。それにしても姫君。さっきのは大胆じゃねーか? 姫君の蛇って言われて、俺ちょっとドキッとしちまったよ』


「そんな事言ってません……」


 赤面する蛇。だがエリーは即答でその良いところだけを切り抜いたような聞き間違いを指摘。

 

「……本当に、ニーズヘッグさんなんですか?」


『おう! しっかしようやく悪夢に入れたものの、この様とはな。なんとか隙間に入り込めたってかんじ? 魔力も全然なくて、上手くはいかねーもんだ』


「突然だったのでビックリしましたよ。でもどうして此処に? よくこれましたね?」


『あ~、そこはな。姫君に感謝って事で』


「……?」


 首を傾けるエリー。

 いったい自分が何をしたというのか。まだ成果もなにも出せていない事に疑問を抱く。

 

『前に、俺は姫君の力を分けてもらった事あったろ? たぶんそれだと思う。俺の魔力には姫君のも未だ混じってるみたいでな。それで、姫君探してたらなんとかこれたってところだ。姫君いなかったらこれねーってやつ』


「……よくわかりませんが、困っていたので助かります」


 一人での解決から二人に増えた事はエリーにとってとても心強いものだ。

 これまでの事象を話、情報をニーズヘッグと共有する。

 クロトの悪夢について。何度も繰り返し、エリーも打開策に難儀しているという事を。

 ニーズヘッグは頷きながらおとなしく話を聞き入れた。


『なるほどなぁ。外はさほど時間が経ってないはずだが、そこまで時間の差がでているとは……。姫君もよくめげずに堪えてたな。偉い!』


「あ、ありがとうございます。でも、なにもできてなくて……、すみません」


 褒められているが、やはり何も達成できていない事には素直に受け止めきれない。

 あくまでクロトのためを思い、なんとか継続できているだけだ。自分が特別褒められる事はできていないと、返す笑みがどうしても曇ってしまう。

 それでもニーズヘッグは身をくねらせ、エリーを評価する。


『いいや。情報収集も大事だぞ? ……だが、そうか。クロトの本体がわからないとなるとめんどいな。悪夢の範囲が狭いが、まだ行けてない所にいるって可能性も有りか? 接触したのはさっきのと毒親。とりあえず、例の母親には要注意だな。なんかしてきたら噛んでやる』


 鋭い牙を見せつけ、一瞬威嚇の表情。

 これまでの繰り返しでまともに話せたことがなく、対話は皆無と判断できる。できる事なら会わないようにするのが一番だ。

 そして、少年の事もある。

 あれほど母親を大事に思っているのだ。危害を加えるという事には乗り気になれない。


「とりあえず、変な事はしないでくださいね?」


『大丈夫だって~。……ていうか、姫君にそれ言われると信頼感に不安があるように聞こえてちょっと心傷ついた』


「たまに変な事されるので……」


『熱烈な愛情表現ですっ』


 それが迷惑なのだ。と、エリーは心で呟く。






 一通り話がまとまってから、再び浴室の扉が開いた。

 弱々しく開く扉。それは警戒の意思も感じられる。

 少年は隙間からこちらを見て警戒の眼差しを向けていた。


「……蛇、いる……よな」


 少年はエリーの傍らにいる蛇を確認。

 夢か幻かと、少しでも期待していたのだろう。だが残念。ニーズヘッグはちゃんといる。

 期待外れにため息を吐きつつ、少年は戻ると少し距離を取って床に座り込む。


「クロトさん。こちらはニーズヘッグさんです。……すいません、驚かせてしまって」


「いっちょ前に名前あんのか……。俺蛇は生で見るの初めてなんだよな。普通部屋の中に入ってこれねーだろ? ……あ。でもアンタも入ってきてるか」


 事実ならと、少年はこれを受け入れそれ以上は考えないようにした。

 思考を切り替えようとしたのか、少年はハッとして目を見開く。

 そして、ビシッとエリーを指差した。


「わかった! アンタ生物学派の人間だろ!」


「……え?」


 急に何を言い出すのか。

 呆気に取られている間にも、少年は語り出す。


「確かにアイルカーヌは魔科学部門専門ばっかだしな。俺も生物学にはさほど詳しくねーし。そっち派の人間なら、俺も知らねーか。てことは、アイルカーヌじゃなく別の国出身。……ってとこでどうだ!」


 自信ありの表情。

 遅れてエリーは思い出した。

 少年は暇をつぶす様にエリーの素性を暴こうと、あれやこれやの情報から導き出そうとする。

 しかし、それが当たった事はない。

 今回に限っては、おしいというところだろうか。


「そ、そうですね。クロトさんとは別の国で生まれましたけど、その生物学? と言うのは全然違いますね」


 そもそも。学問と言ったものに関わってきたことがない。

 一番自信を持てた所がハズレていたのに、少年はがっかりとしてしまう。


「マジか、またハズレか。でもアイルカーヌ出身じゃねーんだな。……うん。やっとかすったってとこか」


「そうなりますね」


『……和んでいるとこ悪いが、コイツもクロト本人かわからないんだろ? あんま慣れ合うのもどうかと……』


 こっそりと、ニーズヘッグが耳元で囁く。

 これは一つの助言だろう。

 目の前の少年が本物のクロトかは定かではない。だが、少年の存在もエリーにとっては心の支えである。

 此処まで継続できているのも、この少年のおかげであり、この空間では唯一の癒しだ。


「でも、クロトさん可愛らしいじゃないですかぁ」


 緩み切った笑みに蛇は動揺。「どこが?」の気持ちでいっぱいだ。

 ニーズヘッグからすれば、毎度悪態と暴言しかないクロトが小さくなっている。というだけである。

 いくら小さくてもクロトはクロトだ。なんだかんだで暴言が来るだろうと予想。

 そう考えている間に、心なしか少年を睨んでしまっていた。

 その集中的な視線に気づいた少年はわずかながら驚いた様子に。


「……な、なんだよその蛇。……さっきから俺の事睨んでないか? なんか悪い事でもしたか?」


 少年は睨まれた事を気にしてしまっている。

 

「ダメですよニーズヘッグさんっ。クロトさんをいじめたらダメです!」


『あっれ~!? 俺が悪い感じ!?』


 ニーズヘッグとしては、確かに不快感が若干あったのと、エリーの意見を確認すべく少年を観察していたにすぎない。

 ……が。行動が相手を睨んでいるというふうに捉えられてしまい、何故怒られたのかすら疑問を抱く気分だ。

 だがエリーに強く言われてしまうと、それ以上なにも言わずにしょげるのみ。


「つーか。蛇って普通しゃべらねーよな?」


『ほっとけ……っ』


 これは少年を気にしない方が得策だ。

 蛇はぷいっとそっぽを向いて無視することに。……と、思いきや。今度は少年が蛇に興味を示した眼差しを向けている。

 視線に堪え切れず向き直ると同時。少年は蛇の鼻先を撫でた。


「……変わった感触なんだな。意外におとなしいし」


 蛇と言う存在に好奇心が芽生えたのか。少年は慣れた様子で更に撫でる。

 子供らしいあどけない表情と、心地よい撫で方なためかニーズヘッグは気持ちよさそうに身をくねらせた。

 

「へ~、結構可愛いもんだな」


 ついには腹を撫でられる事すら許すほど。

 ニーズヘッグは「なるほど」と納得した。

 

『……やばい。なんか愛でてやりたくなってくるもんがあんですけど? 可愛くね、ウチの主?』


「気持ちはわかりますけど、絶対変な事はしないでくださいね?」


 「平気平気」とニーズヘッグは返すも、エリーとしては普段のその愛情表現を思い返すだけで不安でしかない。

 

『ああ~、リアルでもこんくらい可愛げあるといいんだがな~。それだったらもうちょい好感度持てるのによ~』


 現実では簡単に暴言を吐かれるため苦労もあるのだろう。よくクロトは「死ね」など言っているのを耳にする。

 エリーとしても、お互いこのくらいは仲良くいてほしいものだと。心で思うのだ。


「ははっ。なんの事かさっぱりだが、この蛇いいな。――()()()のくせに」







 ……。

 穏やかな光景にも関わらず、エリーとニーズヘッグの思考が一時停止した。

 それはこの場では聞き慣れず、だが脳裏に印象強く残っている事を少年が口にしたからだ。

 

「……ん? どうかしたか?」


 明らかに二人の様子が変わった事に、少年は首を傾ける。

 どうやら、本人は気づいていない様子だ。

 ニーズヘッグは身を退いてエリーの元へ戻る。両者の少年を見る視線は、疑念を抱いたものだ。


「……クロトさん、今……ニーズヘッグさんの事……」


「え? …………」


 少年は数秒前も振り返る。

 記憶力の良い少年だ。早々に発言を忘れることなく、思い返した後に遅れて本人ですら驚いた様子でいる。


 ――――……。


 視界の片隅で、空間が一瞬乱雑に歪んだ気がした。


「……あ、れ? 悪い。そんな風に言うつもりは……。おかしいな……。蛇なんて見るのも初めて……なのに……」


 脳を混乱させた少年。確かめるように記憶をあさり出すと、少年の脳には見慣れないモノが紛れ込む。

 蛇を見るなど初めてではなく。何度も見た事がある。触れる事も、殺す事も。残酷な光景に、少年は記憶を疑った。 

 疑いは更なる疑わしき記憶の侵入を許し、荒らしてゆく。


 脳内だけでなく、それは周囲の空間にも影響を及ぼしていた。

 

 少年の取り乱しに合わせ、部屋の空間にノイズが紛れ、崩壊するかのような歪みを見せた。

 エリーはその歪みを見た事がある。自身の悪夢で。感情の乱れと共に。

 

「クロトさんっ」


 頭を抱え苦悩する少年に呼びかける。

 応答しようとする少年は、恐怖で顔を歪めてしまっていた。

 

「なん、だよ……、これ……っ。知らないもんが……頭に、流れてくる……っ。知らない。誰なんだよ? わからない……っ。こんなの、知らないのに……!」


 知らない。知らない。

 記憶に流れ込むのは、過去のものではない。

 見た事のない存在。景色。物。人。……にも関わらず、見た事がある。

 自分の記憶が偽物の様だ。別の者の記憶が混ざり合って、混沌としてゆき、どれが自分のモノなのかすらわからない。

 少年は恐怖した。自分が自分でない事に。信じるものがどれなのか、何が正しいのか。何が間違いなのか……。

 何かに縋りたかった。この恐怖を退けようと、少年の目はそれを探す。

 声をかけ、心配する少女が映るも、記憶が少女の姿を変貌させた。

 ……それは、血にまみれた。死した姿だ。

 少年は声を引きつらせる。


「違う……、違うっ。なんで、……違う! でも、アンタは…………母さんが…………あの時、殺して。……なのに、なんでっ」


「……っ。クロトさん、覚えて……いるんですか?」


 記憶がエリーの生と死を矛盾させる。

 繰り返す間の記憶までもが。失われたはずの記憶が少年に逆流する。

 全て少年がこの部屋で経験した分が押し寄せた。


「あっ、あああっ!」


「クロトさんっ」


 苦しむ少年に寄りそう。

 しかし、呼び声は少年の頭にまで届かない。

 混乱の中、ニーズヘッグだけが冷静に現状を見定める。

 そして、一つの結論にへとたどり着いた。


『姫君っ。コイツだ! このガキが――クロトだ!』


「え!? でも、クロトさんは……私の事も覚えてなくて……」


 少年は過去の事しか知らない。

 その後の事など知り得ないはずだ。もちろん、ニーズヘッグやエリーの事すらあり得ない。 

 ……そう。悪夢が生み出した過去の存在ならば。

 

『おそらく、悪夢に記憶から姿まで戻されてるんだっ。そうでなければ、ありもしない記憶をコイツが持っているわけがない。全部クロトのだ。空間の荒れも構成するための要である本体が予想外の変動をみせたからだ。……元々俺と姫君は部外者だからな。余計な介入があったせいで、均衡が崩れ始めてきてやがる』


「じゃあ、これでクロトさんを……」


 解放することができるのでは?

 そう希望が持てるも、ニーズヘッグはとてもそれを肯定できる様子ではない。

 

『……いや。ただこのままでいても、すぐに修正が入れば戻っちまう。最悪またリセットされて俺たちは最初に戻るだけだ。……それじゃあ意味がない。繋いでいる鎖をなんとかしねぇと』


 少年をこの部屋に繋ぎ止める鎖。その鎖は空間の乱れに反して、鮮明にあり、微動だにしていない。

 物理的に破壊できるならとっくにできている。この鎖がそういうもので壊れない事は容易に理解できた。まずはこの鎖を外さねばならない。

 難しい事はニーズヘッグに任せるしかなく。エリーは静かに打開策を見つけようとするニーズヘッグを見守るしかない。

 

『…………そういえば姫君。一つ聞きたいんだが。……姫君はこの悪夢を最後まで見たのか?』


「え? ……いえ。いつも追い出されたりされて、最後までというの……たぶんまだ……」


『そうか。おそらくクロトを連れ出すなら、そこまで行かねーとならない。今以上に危険だろうが、そこが最もクロトに近い場所だっ』


「ニーズヘッグさん?」


『説明不足で悪い。だが、修正される前に俺が今ある力でその場所まで道を繋ぐっ。もし無理だと思ったら、その時は諦めてもいい。わかったな!?』


 エリーには聞きたい事が山ほどある。

 だがその暇を与えぬほど、ニーズヘッグの行動は素早くあった。

 蛇はエリーからクロトに飛び掛かり、白い身を発行させた。

 クロトに振れた途端、視界を奪う光が広がり、刹那の静寂が訪れる。






「……っ!」


 雑音塗れだった空間が消え、少年は目を見開く。

 苦悩から解放されたと同時に、少年は何者かが腕を掴む感覚を得た。

 自分を繋ぐのは、羽衣と金の瞳を宿した男の姿。

 初めて見るはず。だが、知っている。

 痛いほど掴む手に悪意は感じられない。むしろ、救おうとする意志があった。

 呆気に取られた少年に、男は呟く。


『ここまでさせるとか、本当に世話の焼ける主だ。……よく隙間を作ったな。おかげで介入できる』


 握る手の力が増す。

 それは、これから告げられる事をよく聞けという暗示でもあった。


『いいかクロト! さっきまでの記憶は全部お前のだっ。どれもが正解で、お前が経験したものだっ。そして、どれだけ足掻いても過去は変わらないっ。お前にはもう、別の未来があるからだ。今からそこまでお前を繋ぐっ。……お前が望んだ末の、最低で最悪な未来。だが、それでもお前を待ってる存在がいる事を忘れるなっ。最低なお前でも、その傍を望む者がいる事を』


「……俺の……未来?」


『思い出せ! お前が望んだ、その願いを! あの時の事を!!』


 クロトの願い。クロトの望みを叶えた、クロトの悪夢の終点。

 その場所こそ、魔銃使い(クロト)に最も近い位置であるとニーズヘッグは考えた。

 白の虚無も長くは続かない。

 時期に悪夢の修正が浸食を開始し、嵐が二人の繋がりを拒む。

 今放してしまえばまたリセットされる。だが、まだ足りない。

 強制的に悪夢の終点に至るための鍵が……。

 ニーズヘッグはそれを言い出す事を躊躇ってしまう。それを言えば、その存在に頼ってしまうと思ったからだ。

 しかし、現状を打破するためにその存在は不可欠であり、堪えてからニーズヘッグは叫ぶ。


『思い出せ! 誰がお前の願いを叶えさせたのかを! そいつを探してるんだろうが!! 最悪な……、――あの()()を!!』


 ――……


 直後、ニーズヘッグの手が離れる。

 嵐に呑まれ、虚無に落ちる少年。頭にあるのは、【魔女】という名。

 その時、代わりに少年の手を取ったのは、幼い少女だった。

 目を見開く。優しく微笑み、聖女の様に救う手にも関わらず、不思議と少年にはその存在に嫌悪しか持てなかった。


 少女は問う。願いを叶えようとする、天使の様に。

 少女は問う。願いを聞き出そうとする、悪魔の様に。




 ――哀れで可哀想な子。貴方の願いを教えてちょうだい……。

 

『やくまが 次回予告』


 そこは悪夢の終点。少年の行きついた、最悪の決別の時。

 全てに絶望し、全てを終わらせたいと。限界を迎えた少年の末路。

 

 少年を救ったのは一人の魔女。

 魔女は囁き、少年の本心と願いを聞き、望みを叶えた。


 望みを叶えた少年と、星の子は対面する。

 鎖を断ち切り、手に銃を宿した少年の瞳は冷たく、その銃口を星の子に向ける。

 

 これが、本来願った少年の願いかのように……


【厄災の姫と魔銃使い:リメイク】第六部 六章 「最終局面」】

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