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その90 俺はロリコンではありません!

「それじゃあ取り敢えずその服を着替えようか? 誰か人に会うこともあるかも知れないし。囚人服を着てるのはちょっとね」


 俺はジェシカから渡された服とスカートを差し出した。


 周りに人は居ないし、俺が後を向いていれば良いだろうと思っていたが、驚くことに二アは俺が目の前に居ても気にならないのか、いきなり服を脱ぎだした。


「んしょ」


「ちょ、ちょっと!」


 俺は咄嗟に背後を向いて二アの身体が視界に入らない様にしたが、背後から服を脱いでいる音が聞こえて来る。


(落ち着け! 後で美少女が服を脱いでいるが、相手は子供だ。ドキドキしているのは逆に問題があるぞ。俺はロリコンじゃない! そう。断じてロリコンではない)


 背後を振り向かず、手だけを後に回し服を二アの前に出すと、服が手からなくなり、二アが受け取ったのが分かった。


 俺は確実にもう着替えが終わっただろうという時間を待って後を振り返った。


 そこには囚人服から子供服に着替えた二アの姿があった。


 白いシャツにピンク色のミニスカート。囚人服の時よりも更に可愛さを増している。


「とっても似合ってるよ」


「ありがとうございます。えーっと...」


「俺の名前はシオンだよ。二ア。これから宜しくね」


「はい。シオンさん」


 そう言い二アは笑顔を見せてくれた。俺と二アが話していると自分も混ざりたかったのか、リュートが間に割って入って来た。


「キュイー!」


「二ア。コイツの名前はリュートって言うんだ。リュートとも宜しく頼むね」


「リュー君。宜しくね!」


「キュイ! キュイー!」


 二アはリュートの頭を優しく撫でた。


 アンナはリューちゃんで、二アはリュー君か...。


 何かドラゴンにしては可愛らしすぎるが、まぁ良しとしよう。


 それよりこれからどうするかだ。


 馬車の向かった方向から何となくサームの方向は分かるが、周りに目立つ物なとが何もないため、途中で野宿でもする様なことがあれば、しっかりと方角を確認しておく必要がある。


「二ア。俺達はここからサームまで歩いて行くことになるけど、二アは大丈夫かな? 結構な距離があると思うけど...」


「私は大丈夫ですよ」


 二アは笑顔で返事を返してくれた。


 出来ればニアに何日も歩かせることはさせたくない。俺がおぶって連れて行けたなら良いのだが、村人の俺にはそんな体力もない。


「ゴメンね。俺が馬車から降りるなんて言わなければ良かったかも知れないね」


「私のことを考えて、そう言ってくれたんですよね? だから気にしないで下さい。もし良ければユニコーンを召喚しますので、ユニコーンに乗ってサームまで行くことも出来ますよ?」


 ユニコーン? 異世界好きにはドラゴンと並ぶほど憧れるようなモンスターじゃないか!? ユニコーンを召喚出来るとか...ひょっとして二アって結構凄いんじゃないのか。


 ただの美少女だと思っていた二アが、ユニコーンの召喚が出来ると聞き、俺は驚いていた。


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