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その9 南ってどっちですか?

 ん? 南ってどっちだ!? この世界の地理が全く分からないので、東西南北が完全に不明だ。

 仕方がない。城に戻り、俺のことを希望だと言ってくれた兵士に聞いてみるとするか。


 城に戻ると言っても現在位置から城までの推定距離はおよそ5m程だ。


「あのー? すみませんが[ヤブン]へ行くには、どちらの方向へ行けば良いんですかね?」


「[ヤブン]ならこの道を真っ直ぐ行った所にありますよ」


 どうやら[ヤブン]は兵士が指を指した方向にあるらしい。地面を見ると土が道の様になっていて[ヤブン]まで続いている様だ。

 

 この道に沿って歩いていれば、途中で迷うこともないだろう。

 兵士に分かれを告げると、道沿いに[ヤブン]へと向かい歩き出した。


 周りを見渡すと、まるで田舎にでも帰って来たかの様に本当に何も無い。草木が茂っている所は何ヶ所かあるが建物などは一切存在しない。

 

 日本の都会で暮らしていた時とは世界が違い過ぎる。まぁ、実際に世界が違うのだが・・・。取り敢えず[ヤブン]に着いたら何をしようか? 冒険者ギルドに登録をするにしても、この格好では目立ち過ぎて、異世界人だということが直ぐにバレてしまう。入り口の兵士の様に、俺を国の希望扱いしてくる人間も出て来るだろう。


 今の俺には期待してもらっても、それに応えるだけの力がない。実力を付けるまでは、なるべく目立たないでいよう。


 そんな事を考えながら道を進んでいると、道の真ん中に青い色をしたゼリーの様な生き物が立ち塞がっていた。


 いや何所が頭で、何所が足かも分からないので、立っていると言う表現はおかしいのかも知れない。


「コイツって多分、どの作品においても定番のザコモンスターだよな?」

 

 じっくりとその生き物を観察していると、突如生き物の頭上にステータスが表示された。


ーーーーーーー

スライム LV1

ーーーーーーー


 モンスターの場合は、じっくりと観察をすれば名前とLVが表示される様だ。数秒するとスライムの頭上にあったステータス表示は消えていった。


 少し道を逸れて進めばスライムと戦う必要はないだろう。だが俺は戦うと決めている。この戦いは俺が英雄になる為の第一歩なんだ。


 ともかく、このスライムに勝てるかどうかで、俺の今後が決まると言っても過言ではない。最弱モンスターに勝てない様では、この先どんなモンスターと戦ったとしても勝てる筈がないのだから...。


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