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その81 この世界ではパンピーになりたくないです・・・

 パンピーソードなんて名前、どう考えても一般ピープルの略であるパンピーから来ているに違いない。


 勇者の武器が勇者の剣なのは全然オッケーだが、村人が使う剣でパンピーソードは流石にダサすぎる。


 歴史に名前が刻まれることになった時に、シオンはパンピーソードを使って魔王を倒しましたって、刻まれることになったらと思うとキツすぎる...。


 俺がかなり落ち込んだ顔をしていると、不思議そうな顔をしながらハンスが声を掛けてきた。


「どうしたんだ? 一体何かあったのか?」


「い、いえ、何でもありません。それよりもハンスさんが言っていたことは、どういうことですか?」


「ああ、Bランクのパーティーに一時的に入ると話か? 目的が違う冒険者同士が一時的にパーティーを組むことは珍しいことじゃない。黄昏の迷宮にはパンピーソード以外にも貴重な物が大量に眠っている。逆にパンピーソードを目的としている冒険者はまず居ないだろう。村人にしか装備出来ない剣とか使い道がなさ過ぎるからな」


 くぅぅ...グレンといいハンスといい、俺の心を傷付けていることは分かっているのか? その使い道がない剣が俺に取っては最強の剣になるんだ。 

 

 だが、ハンスの言っていることは最もだ。パンピーソードを欲しがる人間が居ないなら、強いパーティーに付いて行って、パンピーソードだけを俺が貰えば良い。


 問題は強いパーティーに俺が入れて貰えるかどうかということだが、まぁそれに関してはパーティーが見付かってから考えることにしよう。


「サームの街にはそのドラゴンとの従魔契約の為に行くんだよな? ドラゴンを従えてるとなれば、どんなパーティーでも入れて貰えると思うぞ」


 確かにドラゴンが戦力としてパーティーに加わるとなれば、歓迎して貰えるとは思う。ただ、それはリュートが俺の指示通りに戦ってくれる場合に限る。


「俺の職業は村人なんですが、ビーストテイマーじゃない村人の俺でも従魔契約って可能なんですかね?」


「従魔との契約に関して職業は関係ないぞ。契約するモンスターから主人と認められれば、それで従魔契約は完了する。ビーストテイマーはそれが得意というだけだ」


 なるほど。だったらアンナがリュートと従魔契約を成立させることも可能かも知れないのか。


 やはり俺が駄目だった時はアンナにリュートのことを頼んでみよう。


 ハンスとの会話が終わり暫く経つと、走っていた馬車が急停車をした。突然の急停車により、馬車が揺れ、俺の身体は横に倒れ込んでしまった。


「痛ててて・・・一体何が?」


「タリア王国の騎士様です」


 御者が俺達に向けてボソッとそう呟いた。


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