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80/269

その80 バンヴィーソードじゃなかったのですが・・・

 グレンと話し終わるとハンスが険しい顔をしている。グレンとどんな話をしたか分からないが、話が終わった後からずっと俺の方を見ている。


 暫くすると座っていたハンスが腰を上げ、俺の方へ近付いてきた。


「なぁ、お前は本当にタリア王国に召喚されてこの世界に来たのか?」


 俺の心臓の鼓動が早くなる。嘘を吐くべきか? それとも正直に言うべきか? 決断に迫られていた。


 ここで嘘を吐いた場合後々で問題になってくるかも知れない。


 例え俺が王の意志とは別にこの世界に来たと白状したとしても俺にはヒュドラを倒した実績もある。それ程嫌な顔はされない筈だ。


 俺はこの世界に来た経緯を正直にハンスに話した。


「そう言うことか。それならばお前が魔族側の異世界人のことを知らなかったことも頷けるな。それでお前はこの先どうしようと思っているんだ?」


「俺も慎吾達の様に魔王や四天王を倒すつもりでいます。それには村人の俺でも装備が出来るという剣を手に入れる必要があると思い、その剣を手に入れる為、南東に向かおうと思っています」


「黄昏の迷宮か? あの迷宮に入るつもりなら流石にパーティーで入った方が良いと思うぞ。かなり強いモンスターも出るからな。Bランク以上のメンバーで固める必要があるだろう」


 Bランク以上で固めたパーティーということは当然〖ホワイトアイ〗は却下だ。元々入る気はなかったから良いのだが...。


 ハンスはBランクということだが、遠回しに俺を誘えと言っているのだろうか? ヒュドラを倒した実績がある俺の仲間になりたいと思う気持ちは分かる。


「俺、冒険者登録はしているんですが、ランクはGランクなんですよね...。こんな俺でもBランク以上の仲間なんて見付かりますかね?」


「それは無理だな」


 ハンスの答は即答だった...。俺が期待していた「俺がお前の仲間になろう」のセリフは一切聞こえて来なかった。


「だが、お前が黄昏の迷宮で手に入れたい物はパンピーソードだけだろう? だったら自分が役に立てると言うことを売り込んで、パンピーソードだけを貰うという条件で、一時的にパーティーに入れて貰うという方法があるぞ?」


「いや、まって下さい! 今なんて言いました?」


「ん? 何の話しだ? パンピーソードのことか?」


 パンピーソードだと...。ニーナの奴! バンヴィーソードじゃないじゃないか! 俺が目指す剣の名前が実はパンピーソードだと判明したことで、俺のテンションゲージはレッドゾーンにまで落ち込んでしまった。


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