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その76 勇者とか憧れます

 これだけ口が潰されていればもうブレスを吐くことは出来ないだろう。


 俺はヒュドラの口から手を離すと、その手を握りしめてヒュドラの頭を殴り付けた。


 両手の拳でひたすら殴り付ける。何発も繰り返し殴っているとヒュドラの頭が少しづつ潰れていく。


 ヒュドラは苦しがっている様に見えるが、口を潰されたことで声を出すことが出来ないようだ。


 ひたすら殴り続けることで拳に痛みが走り、皮膚が裂け血が流れるが、それでも気にせずにヒュドラの頭を殴り続けた。


 暫く殴り続けていると、ヒュドラの首が垂れ下がり、身体はその場に倒れ込んだ。


 俺は殴るのを止めてヒュドラを観察するが、ヒュドラはピクリとも動かない。流石に5つの頭を全て潰されればヒュドラも生きてはいられないのだろう。


 ヒュドラを倒したと分かった途端、身体中に痛みが現れた。戦っている最中はアドレナリンが出ていたお陰で、押さえられていた痛みが、ヒュドラを倒した安堵で一気に訪れたようだ。


「痛ててて...身体がバラバラになりそうだ...」


 暫くは身体を動かすことが出来なさそうなので、俺はその場で大の字になって寝転んだ。


「まさかヒュドラを倒すとはな」


 何処からともなく男の声が聞こえてきた。その声は過去にどこかで聞いたような声だった。


 周りを見渡すと1人の男が俺の前に立っていた。俺の前には、ついさっきまでは誰も居なかった筈だ。いつの間に姿を現したというのだろうか。


 男は金色に輝く鎧を身にまとっていて、顔を見せられない理由でもあるのか、その顔には目の部分だけが隠れる様な白色の仮面を着けている。


 男の腰には白い鞘が付けられていて、鞘には剣が収まっている。


「お、お前は誰だ!?」


「ん? お前は? そうか、タリアはお前を召喚したということか。俺はお前と同じ異世界人だ。もっと言えば同じ日本人になる」


 日本人だって? まさか慎吾か大樹なのか? いや違う! この男が現れてから身体に凄まじい程の力を感じる。


 おそらく五十歩百歩でこの男と同程度のステータスになった影響だろう。

 

 この男は相当強い筈。慎吾と大樹がこの短期間でここまで成長しているとは思いがたい。


「ステータスオープン!」


ーーーーーーーーーーーー

シオン・ヨシムラ

男性 年齢17歳

人間 職業 村人 

LV130 HP1500/1500

SP800/800 MP700/700

力850 技900

速さ880 魔力550

防御780 幸運750

[加護]

炎B 風B

土B 水B

雷B 聖B

光A 闇E

[スキル]

村人の一撃

村人の怒り

スラッシュ

流星剣

ドラゴンブレイク

ファイナルバースト

[魔法]

ライトニング

フルヒール

リカバリー

シャイニングブレイズ

[パッシブスキル]

勇者の意志

[ユニークスキル]

五十歩百歩

ーーーーーーーーーーーー

  

 ヤバい...この男は化け物だ...。LV99がMAXなのかと思えば、普通に100越えてるし、パッシブスキルに勇者の意志というスキルがあるということは、この男の職業は勇者ということか? だとしたら敵対する必要は全くない筈だ。


 勇者と言えば魔王を倒すことが運命付けられた者の職業だからな。

 

「相手のステータスと同じステータスになるユニークスキルか...中々面白いスキルを持っているな」


 一瞬でバレた! 別におかしいことではないか...自分と同じ様なステータスを確認しているんだからな。


「貴方の職業は勇者なんですか?」


 勇者という職業に憧れがある俺は、つい男に聞いてしまった。


「ああ、そうだ。俺がこの世界で得た職業は勇者だった。そして俺はこの力を使いタリアを滅ぼすと決めた! お前がタリアに付くと言うのならお前は俺の敵だ」


「え!?」


 タリアを滅ぼす。男の発言は衝撃的なものだった。


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