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その56 盗賊に襲われました!

 馬車が急に止まると御者の1人が血相を変えて、箱に顔を出してきた。


「と、盗賊です!」


 身を乗り出して外を見ると、10人近い男達に馬車が囲まれていた。男達は全員が柄の悪そうな顔と服装をしていて、THE盗賊と言わんがばかりだ。


「10人か...この道にそんな大人数の盗賊が現れるとはな...俺1人では馬車を守り切れるかどうか...」


 ハンスが自信の無さそうな発言をしている。俺も力を貸します! と言いたいところではあるが、モンスターならまだしも、対人戦闘をするには、まだ心の準備が出来ていない。


「ハンスさん。俺達も力を貸します!」


 グレンは腰の鞘に付いている剣を抜くと、ハンスと一緒に馬車を降りた。グレンに続いてバウアーとリンダも馬車を降りようとしている。


 盗賊の話を聞いたアンナが泣きそうな顔をしながら怯えているが、それをジェシカが必死に落ち着かせている。


「アンナ。大丈夫よー、護衛の人が盗賊なんて追い払ってくれるわ」


「ママー!」


 アンナはジェシカのお腹に顔を埋めている。それをジェシカはギュッと抱き締めた。


 その頃、外ではハンス達と盗賊達の戦闘が始まっていた。


 ハンス、グレン、バウアーの3人は盗賊達に接近しての近接戦闘。リンダはそれを後方から魔法で援護している。さっきの戦い振りからハンスが簡単に蹴散らしてくれるかだろうと思っていたが、以外にもハンス達と盗賊達は良い勝負をしていた。


 数の上で盗賊達が有利と言うこともあるが、それだけではなく単純に盗賊達が強い様な気がする。他の盗賊達に指示を出している男がリーダーだと思われるので、その男のLVを確認してみた。


ーーーーーー

ドルム LV39

ーーーーーー


 この男LV39もあるが、これって結構高いんじゃ? 続いて俺はハンスのLVを確認してみた。


ーーーーーー

ハンス LV38

ーーーーーー


 ドルムという男よりもハンスの方が低いじゃないか。これは不味いんじゃないのか? 他の盗賊がどれだけ強いかは分からないが、唯一のBランクであるハンスがドルムと互角に戦ったとしても、他の人間はCランク以下しかいない。これではとても馬車を守り抜けるとは思えない。


「この馬車に乗っている女達を渡せ。そうしたら残りの奴らは全員生かしておいてやる。もちろんそこの女魔道士。お前もだ」


 一瞬戦いの手を止めてドルムがハンス達に向けて言った。どうやら盗賊達の狙いは馬車の中の女性達のようだ。

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