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その49 次の目的地はサームの街です

「この街を出たら[サーム]を目指したいと思っているのですが、どれくらいの距離がありますかね?」


「[サーム]に行きたいの? 馬車なら2日もあれば着けると思うけど、歩いて行ったら10日は掛かるわよ」


 馬車か。確かに移動手段としてはありかも知れない。10日も歩くとなったら体力も不安があるが、それ以上に食事の不安が大きい。


 最悪、食事はしなくても10日くらいなら何とか生きていられそうだが、水分に関しては全く飲まなければ、3日持つかどうか微妙なところだ。


 2日なら少し食料と水を用意すれば良いだけだし、馬車に乗るということ自体にも興味がある。俺の中で既に選択肢は決まっていた。


「馬車に乗って行きたいと思います。何所に行けば馬車に乗れるんですかね?」


「街の北に[ノアーク商会]という商会があって、その商会で馬車に人を乗せて、色々な場所へ送り届けるといった商売もしてるわよ」


「ありがとうございます。必要な物を色々と買ってから、その商会に行ってみようと思います!」


 取り敢えずは街を回って、2日分の食料を用意しなければ。リュートの食事を考えたら結構な量が必要かも知れない。このサイズであれだけ食べるってことは、大きくなったらどれだけ食べるんだ? それまでにちゃんと稼げるようになっていなければ、食費で破産しかねない。


 と言うか...リュートは馬車に乗せてもらえるのだろうか? おそらく馬車には他の人間も乗っている筈だ。狭い空間の中にドラゴンと一緒となれば、良い顔をする人は居ないだろう。


 まぁ、その場合は馬車を1台貸し切るという方法もあるか...。俺は女性に別れを告げて、宿の入り口へと向かった。


 宿の入り口まで行くとカウンターに男の姿はなかった。


 そのまま宿から出ると街を回って食料の買い出しを始めた。


 2店舗ほど回り、大量の干し肉と大きな水筒一杯に入った水を用意した。干し肉の方はリュートのことも考えて買ったのだが、流石に買いすぎじゃないかという量を買ってしまったため、持ち運びに結構な苦労をする。


 俺が持ち運びに苦労をしていると、リュートが干し肉の入った袋を見て鳴き声を上げたので、持ってくれるという意味なのかと思い、干し肉の入った袋をリュートにくくりつけてみた。


 すると自分の身体よりも大きい袋をくくりつけているのにも関わらず、何の苦労もないかの様に上空に浮き上がった。


「キュイー! キュイー!」


 リュートは嬉しそうに鳴き声を上げている。


 流石ドラゴン。これくらいのことは余裕で出来るようだ。


 食料の買い出しを終えたことだし[サーム]に向かう馬車に乗るため、俺達は街の北へと向かった。


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