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その46 ボッタクリが過ぎるのですが?

「よーし! それじゃあお前とドラゴン一泊で金貨30枚だ。先払いで頼むぞ!」


 金貨30枚? こんな小さな宿屋で一泊金貨5枚は流石に高過ぎでしょ! どれだけ足元を見るんだ! 男のモヒカン頭を引っ張ってそう言ってやりたかったが、それは想像だけで止めておいた。


「じゃあこれでお願いします」


 カウンターの上に白銀貨を1枚置くと、男は直ぐにそれを取り、カウンターの上に金色の硬貨を70枚置いた。


「白銀貨で支払うとか金持ちなんだな。これは釣りだ」


 初めて見る硬貨だが、お釣りと言うことで70枚あるということは金貨だと思われる。金貨の大きさは白銀貨とほぼ一緒の大きさだった。


 金色に輝いていて綺麗なのだが、やはり白銀貨を見た後に見ると見劣りしてしまう。


 俺は70枚の金貨を腰の袋へしまうと食事の話を切り出した。


「ここって食事とかは出来たりしますかね?」


「あん!?」


 いやいや、柄が悪すぎるでしょ! 俺は客で、ただ食事が出来るかどうか確認しただけだ。客に対してこんな態度ばかり取っていたら確実に客が来なくなると思う。と言うか、宿屋の中に客がいる気配はないので、既になっているのかも知れない。


 殆ど客が入らなくても、俺みたいな訳ありの客をたまに泊まらせれば、充分に経営はやっていけるのだろう。


「飯だったらその通路の先に行ったところに食堂があるぞ。食事は別料金になるが、それでも良ければ利用してくれ。ちなみにお前の部屋は、そっちの通路を真っ直ぐ行った先にある、扉に斧の絵が書いてある部屋だ」


 1泊で金貨5枚も取るくせに食事は別料金とか、本当にヤバイ宿屋だな...この宿屋の食堂ではなく、街に出て食事を取ろうかとも思ったが、また街を探し回るのも面倒だし、食堂のことを聞いてしまった後に、この男に食事が出来る場所を聞く勇気もない。


 仕方がないので、俺はこの宿屋の食堂に向かうことにした。


「お腹が空いているので、今から食堂に行って来ますね」


 そう言って俺は食堂へと向かった。入った時に左側にあった通路が食堂への通路で、右側にあったのが俺の部屋への通路になるようだ。


 通路と言っても3m程の距離しかなく、食堂には秒で着いた。食堂の中は4人掛けの席が2つとカウンターがあるだけの小さな空間になっていた。


 カウンターの中には女性がいて、その奥はキッチンの様な作りになっていた。


「あら、お客さんかしら?」


 そう言った女性は、俺より一回りくらいは上だと思われる年齢で、かなり綺麗な女性だった。


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