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その44 着替えは完了しました!

「とってもお似合いですよー」


 正直安物感が丸出しの服なので、似合っていると言われても複雑な気持ちだ。俺が着替えている間リュートも試着室の中にいたが、今は完全にナッシーの目の前にいる。それでもリュートに対して無反応なのは、ドラゴンに対して恐怖の感情がないのだろう? こっちとしては怯えられなくて助かるが、逆にこうまで無反応だと不安になってしまう。


 まぁ、今後この店に来ることもないだろうから、特に気にする必要もないのだが。

 

 俺は脱いだ制服をカッターシャツと一緒にナッシーへと手渡した。


「ありがとうございました。動き安そうな服で気に入りました!」


 色々と考えた結果、この言葉しか服を褒める言葉が見付からなかった。


「いえいえ。こちらこそこんなに珍しいものを売って頂けて感謝しております。そう言えば珍しいと言えば、ドラゴンを連れている方を見たのは初めてです。珍しいですね!」


 ナッシーはリュートのことが気にはなっていたみたいだ。ただ何も言わなかっただけということか。


 街の人の反応から行くと、怯えるのが当たり前の様になっていたが、こういう人間もいるようだ。


「ええ。何か懐かれちゃったんですよねー。」


 一応ずっと付いて来るということは、懐いているという表現を使っても問題はないだろう。実際にリュートが何を考えているかは全く分からないが...。


「凄いですね! 流石異世界から来られた救世主の方は違いますねー」


「いえいえ大したことじゃないですよ」


 少し前までは救世主と言われても苦しいだけだったが、今の俺には、実際に救世主になれる力が秘められている。このユニークスキルの力で必ず慎吾達よりも先に魔王を倒してみせる! その為にも黄昏の迷宮に行って、村人でも装備できる剣を手に入れなければ。


「この街で一泊してから南東の方へ向かおうと思っているのですが、ドラゴンを連れていても、泊まらせてくれるような宿屋はないですかね?」


「ああ、それなら街の西にあるアイザックの宿屋が良いですよ。アイザックならお金さえ払えば、例え魔王だろうと泊まらせてくれると思います」


 魔王を泊まらせるとか、それはそれで問題だと思うが、リュートを連れていても泊まれる宿屋があるのは助かった。今の俺なら多少高い宿だろうと、どうってことはない。


「ありがとうございます。それじゃあその宿屋に向かおうと思います。街の東に行けば分かりますかね?」


「はい。看板に大きくアイザック亭と書かれているので、直ぐに分かると思います」


 ナッシーに再度お礼を言って洋服屋を出ると、俺は本日泊まる予定になったアイザック亭を目指し歩き出した。


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