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その40 黄昏の迷宮に行こうと思います

「ちなみにその剣のことは詳しく分かりませんか?」


「えー、確かバンヴィーソードみたいな名前だった気が...あれ? ちょっと違うような気もするなぁー...。ここから遥か南東にある黄昏の迷宮の奥深くに眠っているという話です」


 迷宮!? 良い響きだ。やはり異世界の冒険と言えば迷宮は付き物だよなー。流石にソロで潜るのは厳しいと思うから、それまでには仲間を探さないな。


「パーティーを組んだりするのはどうやれば良いんですかね?」


「自分で集めるか、もしくは元々パーティーを組んでいるところに入れてもらうかになりますね。ちなみにパーティーは最大で4人までとなっているので、既に4人組のパーティーに入ることは出来ません」


 何故、4人までしか駄目なのか? それを聞くような野暮な真似を俺はしない。RPGでもパーティーは4人が一番良いと思う。もちろん3人パーティーや6人パーティーなどのRPGもあるが、やはりバランスを考えたら一番しっくりくるのは4人パーティーだろう。


 前衛2人の後衛2人が戦いの基本になる筈だ。ただ、俺の場合は戦う相手によって、前衛か後衛か変わることになるので、それを考慮したパーティーを組まなければいけない。


「取り敢えず色々と聞きたいことは聞けました。ありがとうございます。早速、俺は黄昏の迷宮を目指しますね!」


 俺が部屋から出ようと椅子を起ち上がると、猫耳職員に手を掴まれた。


「ま、待って下さい。今からはもう夜になります! 夜になれば強いモンスターが現れる様になりますし、一晩宿に泊まってから明日出発する方が良いと思います。黄昏の迷宮まではかなりの日数が掛かりますし、途中で村や街に寄るとしても、ある程度の準備は必要になると思います」


 確かに...。何にもなしで迷宮を目指すのは無謀すぎるか...。迷宮に着くまでに仲間が見付かる保証もないしな...。だが、今の俺には何かを用意するお金も宿に泊まるお金もない。


「実は...俺...こっちの世界のお金を全く持ってないんですよね...」


 こっちの世界のお金とは言ったが、別にあっちの世界のお金を持っている訳でもない。バイトをしたこともなく小遣いは直ぐに、ゲームや本に消えるのでお財布事情は常にカツカツだ。


「だったら洋服屋でその服を売ってみたらどうですか? 異世界の服とか、かなり珍しいので高く売れると思いますよ」


 そうか。確かにこっちの世界にないものなら高額で取引されている可能性がある。


 俺の頭には制服を売るという考えが一切浮かんでいなかった。


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