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その33 そういえばドラゴンは怖がられる生き物でした

「それにしてもリュート。お前は今の戦いでは何もしてくれなかったな」


「キュイ! キュイー!」


 リュートは嬉しそうに鳴き声を上げている。完全に俺の言っている言葉は理解出来ていないだろう。


 リュートが願うままに戦ってくれれば、ザコモンスターとの戦いは全てリュートに任せられるが、中々上手くはいかない。俺1人ではスライム相手にも常に命の危険があるのが悲しい現実だ。早い内に王が言っていた様にパーティーを見付けなければいけない。


 早く見付けなければと言っても〖ブラックアイ〗の様なパーティーは当然ゴメンだ。お互いに信頼し、助け合える様なパーティーを見付けなければ。


 ここで1つの悩みが生まれた。


 もし誰かとパーティーを組むことになったとして、自分のユニークスキルのことを明かすかどうかだ。


 俺のユニークスキルは特殊すぎて戦う相手には、その存在を絶対に知られてはいけない。だがパーティーメンバーならどうだろうか? 俺のユニークスキルのことを知らなければ戦い方にも影響が出るだろうし、普通にいけば伝えるべきだと思うが...。まぁ話すか話さないかはその時が来たら決めれば良いか。自分が心底信用出来るような仲間なら全て話せば良いしな。


 まだ見ぬパーティーへの憧れを抱きつつ俺はリュートと[ヤブン]へ向かった。


 やっと[ヤブン]が見えて来ると、早く色々なことが知りたくてウズウズしてきた俺は、リュートのことを頭に入れずに街の入り口から中へ入った。


 街の人々が俺の方を見ながら青い顔をしている。俺の隣にはリュートの姿があった。


「ねぇ? あれってドラゴンよね?」


「そうよ。ドラゴンよ。恐いわ」


 人々はリュートを見て恐れている。親竜を見た俺からすれば、リュートなんて小さくて可愛らしい生き物だが、街の人達からすればそうは見えていないらしい。明らかにリュートに対して恐怖の感情を抱いている。


 この場にいるのは良くなさそうだ。そう思った俺はリュートを抱き抱えると、冒険者ギルドへと走った。


 街の人達からの視線を感じながらも冒険者ギルドに着き、直ぐに中に入ると、部屋の中にいる顔触れはギルド職員以外、先程とガラリと変わっていた。


 職員以外に8人の冒険者が部屋の中にいるが、こちらを見ながらヒソヒソと話をしている。


 おそらく俺かリュートの話をしているのだと思われる。異世界人と言うだけでも異質なのに、今は更にドラゴンを連れている。


 俺は猫耳の職員の元へ急いだ。


 職員の前に立つと驚いた顔をしながらこちらを見ている。この驚きはリュートではなく俺に向けられたものだ。


「シオンさん。生きてたんですね!?」


 ようやくと着いたギルドで言われた第一声がこの言葉だった。


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