その3 憧れのステータスオープン!
「異世界召喚により、この世界に召喚された者には、特別な力が備わっているのだ。勝手に召喚をしておいて迷惑な話かも知れぬが、どうかタリアを救う為に力を貸してはくれぬだろうか?」
ふふん! やはりな! 異世界召喚の基本を知らない人間は直ぐに何故? と言う言葉を使いたがるが、俺には全てが分かっている。
「みんなどう思う?」
ちなみに慎吾が言ったみんなと言う言葉に俺は入っていない。俺は居ない者として考えられている様だ。
たが数分後には、そんな認識が大きく変わることが起こる筈だ。異世界転生物好きの俺には今後の展開も予想が出来ていた。
「慎吾がやるって言うなら俺は付き合うぜ! 異世界とか面白そうだしよ!」
「私も慎吾がやるって言うのなら付き合うわよ」
2人は完全に慎吾任せだ。まぁ、慎吾がやらないと言うのなら俺が四天王を全て倒して、魔王を倒すだけだから問題はないけどな。
「この国の力にはなりたいけど、本当に僕達にそんな力があるのかな...?」
「皆様、ステータスオープンと言ってみて下さい」
慎吾達に話し掛けて来た王の隣にいた女性は、この国の王女でエリザベスと言うらしい。
きたきた! この瞬間! 俺のチート並みのステータスが分かると同時に周りから、おぉぉぉ! と言う歓声が響き渡る。この快感が得られる瞬間をどれだけ待ち望んだことか...。
「ステータスオープン!」
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シンゴ・カミジョウ
男性 年齢17歳
人間 職業・聖騎士
LV1 HP250/250
SP150/150 MP100/100
力100 技120
速さ120 魔力50
防御80 幸運100
[加護]
炎C 風C
土D 水D
雷D 聖B
光C 闇E
[スキル]
ソードスラッシュ
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「おぉぉぉ!!!」
慎吾の頭上に白い文字でステータスが表示されると、兵士達から歓声が巻き起こっている。基準が分からないので凄いのかどうかは不明だが、兵士達が騒いでいると言うことは凄いのだろう。
「凄いです! 慎吾様! 普通の人ならLV1の基礎ステータスは30くらいが平均なので、慎吾様はずば抜けた能力の持ち主になります!」
基礎ステータスと言うのは、おそらく力から幸運までの5つの能力値の事だろう。他人にもステータスを見ることが出来るのは好都合だ。俺のステータスを見てもらい皆に驚いて貰うことにしよう。
「じゃあ、次は俺ね! ステータスオープン!」
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ダイキ・ヤマシタ
男性 年齢17歳
人間 職業 狂戦士
LV1 HP280/280
SP120/120 MP0
力120 技90
速さ80 魔力0
防御100 幸運80
[加護]
炎E 風E
土D 水E
雷D 聖E
光E 闇D
[スキル]
ボーンクラッシュ
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「おぉぉ!!」
慎吾程ではないが、兵士達の反応は良い。狂戦士とは大樹にピッタリの職業じゃないか! 次は千恵がやる様だ。やはり本命は最後に出て来て皆をアッと言わせる。これもテンプレだ。