その261 ドラゴンのままの方が強いんじゃないですか?
街の入り口に着いたところであることに気付く。
「しまった...どっちの方角からモンスターがやってくるのかを確認してない...」
転移したばかりで城を出た時のことを思い出す。
あの時も東西南北がわからずに城の兵士に聞きに言ったなぁ...。
「少し待って下さいね」
ニアが目を閉じ何やら集中し始める。
「南東の方角からこちらへ向かってくるモンスターの大群の気配を感じます」
かなりの距離が離れているというのに気配を感じることが出来るとか凄いな。
「ありがとう。街より少しでも離れた場所で戦った方が良い筈だ。俺達も南東へ向かおう」
俺達は全力で南東へ向かい走る。
一瞬でリュートとの距離が離れる。
悲しいことにニアとでさえ距離がドンドンと離れて行く。
俺の素ステでは当たり前の結果だろう。
「はぁ、はぁ、待ってくれ...」
俺の姿が見えない程に離れてしまったリュートだったが、俺の足が止まったのを確認すると、こっちへ戻ってくる。
「仕方ないなぁー」
リュートの身体が輝き出す。
みるみる内にリュートの姿がドラゴンの姿へと変化をしていく。
「2人とも僕の背中に乗って。一気にモンスター達の近くまで飛んで行くから」
俺とニアが背中に乗るとリュートが上昇を始める。
そのまま凄い勢いで南東の方角へ向けて飛んで行く。
30分程飛び続けているとニアが何かに気付いたようだ。
「この先にモンスターの大群がいます。おそらく私達が動かなければ10分程でこの場所にやって来るでしょう」
俺達からモンスターに接近したことで、かなり街から離れた場所でモンスターと戦うことが出来る。
この場所なら聖竜が全力で戦ったり、ニアが強力な魔法を使ったとしても人体被害が出ることはないだろう。
「リュート。この辺りで降ろしてくれ」
俺の指示を受けてリュートが下降を始める。
着陸して俺達を降ろすと再び人間の姿へと変化をする。
ドラゴンの姿のまま戦った方が明らかに強い気がするのだが...。
「ニア。聖竜を召喚して貰っても良いかな? 今の内に今回のことを説明しておきたいんだ」
「わかりました」
ニアがこの場に聖竜を召喚する。
聖竜が現れると同時に辺りに震動が走る。
『久し振りだな。ん? ニアは成長しているようだな。それにそっちの竜人族はこの前のフレアドラゴンか? お前達に一体何が...』
「ちょっと色々と合ってね...聖竜。お前の力を俺達に貸してほしい」
俺は今起きている事態に付いて聖竜に説明をした。
『モンスターが1000匹か。それくらいなら私だけでも何とかなるだろう。しかし妙だな...』
「何か気になることでもあるのか?」
「ふむ...」
何やら聖竜には気になっていることがあるようだ。




