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その26 文無しとか勘弁して下さい

 だったら俺がやることは1つ。冒険者ギルドの依頼をこなしてお金を貯め、最強クラスの装備を手に入れることだ。


 今の俺の装備はガンツの形見の剣だけ。この剣は騙された慰謝料として頂くことにしよう。本当なら持っているお金を全部奪ってやりたい所だが、お金はガンツと共に灰になってしまっただろう。そう言えばゲイツだけは唯一灰にならずに残っているな。


 俺はドラゴンの爪で引き裂かれているゲイツの死体を探ってみた。やはりこんなことが出来てしまうこと自体、こっちの世界に来てからの俺は変わってしまっている様だ。


 ゲイツの身体を隅から隅まで探ってみたが、お金らしきものは1つも見付けることが出来なかった。装備を剥ぎ取って持っていくことも出来るが、斧というのは戦士などの脳筋が使う武器のイメージがあり、英雄が装備をするには向かない武器だ。着ているものも山賊の様な格好なので着たくはない。


 結局ゲイツの死体を探った行為は無駄に終わってしまった。


 そう言えばこの山に来た本当の目的は、ドラゴンの卵を持ち帰ることだったな。ドラゴンの卵が貴重な物と言うことは、卵を持ち帰って売ればかなりの大金が入って来るんじゃないのか? ナイスアイディアが浮かんだので、ドラゴンの卵を回収するべく窪みに向かうと、側面にそっと足を掛けながら、慎重に窪みの底へ降りた。


 窪みの底にはバーツの放った矢が落ちていた。矢尻の部分は鉄で出来ているのに先端が潰れてしまっている。ドラゴンの皮膚が鉄よりも硬いと言うのは本当の様だ。そのドラゴンの皮膚を鉄製の剣で切り裂いた自分が誇らしくなった。


 窪みの中を見渡すと、先程確認した時と同じ場所に赤い卵が置かれていた。大きさは1m程だが果たして俺に持ち運ぶことが出来るのだろうか? 正直今の俺の力は並みの人間をかなり下回っている。ドラゴンを倒したことでLVアップはしているとは思うが、それ程成長しているとは思えない。


 不安を覚えながら卵に近付き両手で触れようとした瞬間。


ピキピキピキ


 卵に亀裂が入った。


 何故だ? 俺はまだ卵に触れていないぞ? 亀裂はどんどんと広がっていくが、俺にはどうすることも出来ず、ただ見ているだけだった。


 呆然として卵を眺めていると完全に卵が割れ、中から体長30㎝程の子竜が姿を現した。


 1m程の卵から30㎝程の子竜が出て来るのは、おかしいんじゃないかとは思ったが、問題はそこではない。子竜からすれば俺は親を殺した仇になる。それを認識しているのかは分からないが、取り敢えずは剣を構え臨戦態勢に入ることにした。


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