その259 モンスターの大群が迫ってきているようです
一体何が起きたというのだろうか。
カウンター内のギルド職員とウィズダムが話し合いをしているが、全員険しい顔をしている。
俺達の姿に気付いたようでウィズダムがこちらに向かってくる。
「シオンさん! ニアさん!」
「騒がしいですけど、一体何があったんですか?」
「この[マース]にモンスターの大群が押し寄せてきているのです」
モンスターの大群? 何故、こんな街にモンスターの大群が押し寄せてくるんだ? 特別に何がある訳でもないし、モンスターに狙われる理由がわからない。
「大群とはどれくらいの数なのですか?」
「全てDランク指定以上のモンスターで1000匹以上です...その中にはA級以上のモンスターも数十匹混ざっています...」
ヤバイな...。大群といってもスライムが1000匹なら全く問題はない。
だが、全てDランク以上となると当然それなりのランクの冒険者でなければ話しにならない。
更にAランク以上に対応するならこちらもAランク以上の冒険者を集める必要があるだろう。
俺の〖五十歩百歩〗があれば遅れをとるモンスターは居ないが、流石に数が多すぎる。
〖五十歩百歩〗の一番の弱点が多数との戦いだ。
「街の人間を非難させる時間はあるんですか?」
「全員を無事に逃がすというのは厳しいですね...移動速度から考えて後3時間もすればモンスター達が[マース]に到着してしまいます」
そんな近くに接近されるまで気付かなかったのか? モンスターが迫ってきていると知れば間違えなく街の人間は混乱する筈だ。
街に慌ただしい雰囲気がなかったのは情報が伝わっていないのだろう。
「それでギルドの方針としてはどうするつもりなのですか?」
「ギルドからの緊急依頼を出しました。街の人間を全員逃がすまでの間戦ってくれる冒険者を募集しています。当然命の危険が高い依頼となりますので、受けて頂ける冒険者がどれだけ集まることか...」
俺達3人は顔を見合わせる。
「流石に放っておく訳にはいかないな。危険な依頼になるけど大丈夫かい?」
「はい。街の人間が誰も犠牲にならないよう私達で何とかしましょう!」
「そうだね。て言うか僕達でそのモンスターを全滅させれば、街の人達が逃げる必要もないんじゃないの?」
1000匹以上のモンスターを全滅させるとか流石に無理ゲー過ぎるだろ...。
「そう言えばこちらの方は?」
そう言えばウィズダムはリュートが人型になれるようになったことを知らないな。
「色々あってリュートが竜人族に進化したんです」
「あの時のドラゴンが?」
ウィズダムが驚きを見せている。
「ねぇ、ウィズダムさん。全員が一斉に街から非難するってなったら街の人達に被害が出ちゃうんじゃないの?」
「はい...。皆がわれ先に逃げようとすれば、多少の被害は出ると思います...」
1000匹のモンスターが襲ってくるとなればパニックの中で大勢が逃げ出すことになる。
他人を押し退けて逃げようとする人間だっている筈だ。
「だったら僕達でモンスターを全部倒しちゃおうよ! そうすれば誰も犠牲にならないよ」
「いや、リュート...流石に俺達3人だけで1000匹を倒すなんて不可能だよ」
「3人だけじゃないよ。ニアの召喚魔法があるじゃん! 聖竜様の力を借りれば良いんじゃないかな?」
確かに...。聖竜を召喚すればある程度のモンスターなら一掃できそうだ。
正直あの力があれば聖竜一匹でモンスターを全滅させたとしても不思議はない。
建物の中じゃなければ聖竜を呼んでも問題ないし、全力で戦って貰うことが出来る。
リュートの一言で、1000匹を殲滅させることも不可能ではないかも知れないという考えが生まれた。




