その248 リュートまで成長しちゃいました
リュートの身体がドンドン大きくなっていく。
この場所が広い空間で助かった...。狭い通路なんかでこの現象が起こっていたら、完全に迷宮が崩れてしまっていただろう。
リュートが体長5m程にまで成長し動きを止める。
しかし参ったな...。こんな大きさのリュートを連れて迷宮内を動き回ることなんて不可能だぞ。
「わぁー。リュー君大きくなったねー」
「ニアだって大きくなったじゃないか」
ん? 今、変な声が聞こえてきたぞ...。この場には俺とニアとリュートしか居ない筈だ。
「リュー君話せるようになったんだー」
「うん。僕話せるようになったみたいだ」
目の前で信じられない現象が起きている。あのリュートが普通に人間の言葉を話している。
いや...聖竜とかも普通に人間の言葉を話せるし、ドラゴンが話すこと自体はおかしくないのかも知れないが...。
「ニア。フレアドラゴンって大人になると喋れたりするのかい?」
「いえ。そんなことはない筈なのですが...」
「何かさっきの実を食べてから不思議な力が沸いてくるんだ。シオンやニアと話せるようになって良かったよ」
進化の実のことか。あの実に特殊な効果があり、時の間で時間が経過したことにより急激な変化を遂げたということか...。
この姿なら戦闘能力は大幅に上がったと思うが、流石にこの大きさは問題だ。
こんな身体では街に入ることさえ出来ない。何よりこの迷宮から出ることすら出来ない。
「リュート。悪いんだけど、前みたいにニアのマジックボックスの中に入って貰うよ。その身体では迷宮を移動することが出来ないからさ」
「そうやって前みたいに僕だけ仲間外れにして! 絶対に嫌だ!」
「せめて迷宮を出る迄でも良いから聞いてくれ。リュートがその身体で迷宮を移動したら迷宮が崩れちゃうからさ」
「じゃあ僕がシオン達みたいになれば良いんだよね?」
「え?」
『竜人化』
リュートがそう言うとリュートの身体が輝き始めた。
「一体何が...」
光の中でリュートの身体が縮んでいく。そのまま身体の形状が変化をしていく。
「これなら良いよね?」
リュートの姿が人間の姿へと変化を果たした。
年齢は俺と同世代くらいに見え、真っ赤な髪の毛を生やし中々のイケメンだ。
当然服などは着ていないが、元がドラゴンのせいか男のシンボルなどは付いていない。
「これでシオンやニアと一緒に冒険が出来るね!」
リュートがニコッと笑う。
確かにこの姿なら一緒に冒険をすることは出来るだろう。
だが、リュートの知能が人間並みになったのだとすれば、俺には1つ伝えなければいけないことがあった。




