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242/269

その242 そのローブは反則だと思います!

 炎が収まるとそこにあるのは無傷のリッチの姿だった。


「え、何で...」


 俺は自分のステータスを確認してリッチが炎属性と聖属性に弱いことを確認している。


 アンデットのリッチが聖属性の魔法を使うことは出来ないが、炎の魔法ならいくつか使えたので、その中で広範囲に広がらず威力の高い魔法を選んだつもりだったのだが、何故無傷なのだろうか...。


『はははは! まさかヘルファイアを使えるとはな。だが、私には効果がないぞ? 今度はお前が私の魔法を食らうがいい』

『ヘルファイア』


 俺の足元から炎が発生して身体を燃やしていく。


 だが、リッチにヘルファイアが効かないのなら、俺にだって効かない筈だ。


「うわぁぁぁ!」


 明らかに身体が燃えている。


 物凄く熱いし、物凄く痛い...。黒い炎が影響しているのか呼吸もかなり苦しい。


「シオンお兄ちゃん!」

『ウォーターボール』


 ニアの放った水の球体が俺の身体に当たると、弾けて炎を消化していった。


「ぐっ、ぐぅぅ...」


 水は消えたがダメージは相当なダメージだ。


 どう考えても弱点の魔法を食らったとしか思えない...。


『ヒール』


 ニアにヒールを掛けて貰うと、大火傷をおっていた身体が元通りに戻っていく。


「うっ、うう...ありがとうニア。俺はこれだけのダメージを受けたというのに、何でアイツは無傷だったんだ...」


「多分あのローブのせいだと思います。あのローブからは強い炎の魔力を感じます」


 炎属性の攻撃を防ぐ的なローブか? だとしたらあまりにも不利すぎる...。


 こっちの炎魔法は無効なのに、相手の炎魔法を食らえば大ダメージを受けてしまう。


「ニアは聖属性の攻撃魔法を使うことは出来るかな?」


「ごめんなさい...。私には聖属性の魔法で使える攻撃魔法はありません...」


 厳しいな...。当然リュートのフレアブレスも効果はないだろう。


 リッチには魔法以外の攻撃手段はない。力も俺の素ステと大差はないレベルだし、炎属性以外の魔法で戦うしかない。


 ただ問題はこのパッシブスキルだ。


〖マジックガードLV8〗魔法により受けるダメージを80%軽減する


 俺にもこのパッシブスキルがあるというのにヘルファイアを受けた時のダメージは極大なものだった。


 アンデットが炎と聖なる魔法に弱いというのは定番になっているし、このパッシブがなければ確実にオーバーキルする程のダメージだったのだろう。


「ニア。アイツを倒すためには炎属性以外の魔法で倒すしかない。厳しい戦いになると思うけど、力を貸して欲しい」


「もちろんです!」


 MPが尽きるまで魔法を打ちまくって、それでも倒せなかったらその時に考えれば良い。


 俺はリッチとの魔法合戦をすることを決意した。


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