その240 ニアのお陰でサクサク進めます
暫くニアの後に続き進んでいるとモンスターに出会した。
ザコモンスターの定番スライムだ。
俺の身体からかなりの脱力感を感じる。
いつもなら相手に合わせてステータスが上がるので、力がみなぎってくるのを感じられたが、今の俺の素ステはスライムよりも強い。
これはステータスが下がっていることで感じる感覚なのだろう。
『ファイヤーボール』
ニアが魔法を放つと、着弾した瞬間にスライムの身体は燃え尽きた。
「何か、ザコモンスターはニアに任せちゃうことになってゴメン...」
「大丈夫ですよー。私に任せて下さい」
「キュイー!」
自分もいると言わんがばかりにリュートが叫び声を上げる。
スライムを倒した俺達はニアを先頭に更に奥へと進んで行く。
その先で下の階に降りる階段を発見した。
俺達は階段を降り地下2階を進みだした。
地下2階を歩き始めて暫くすると、俺達の前にカエルの姿をしたモンスターが姿を現した。
体長は50㎝程あり口からはビロビロと舌を出している。
「キュイー!」
リュートがカエルに向かい突っ込んで行く。
カエルの目の前まで行くと大きく口を広げ、炎のブレスを吐き出した。
「ゲコー!」
叫び声を上げながらカエルが焼かれていく。
その場には焼け焦げたカエルの死体が残った。
「ありがとう。リュート。それじゃあ先に進もうか」
ニアが歩き始め、俺も後ろに続くがリュートが付いてこない。
リュートは転がっているカエルの死体を食べ始めた。
「ニア。ちょっと待って」
ニアが足を止める。
肉食ということはリュートに取ってカエルは完全に食料か。
人間ですらカエルを食べたりするんだ。ドラゴンに食べられない筈がない。
俺達はリュートが食べ終わるのを待ち、再び歩き始めた。
カエルを倒した先で地下へ降りる階段を見付けた。
簡単に階段を発見していると思うかも知れないが、それはニアが迷宮内を把握していて、最短で階段の場所にまで案内してくれているからだ。
再び階段を降り地下3階へと足を踏み入れた。
一連の流れを繰り返して俺達は地下10階にまで到達していた。
かなりのモンスターとも遭遇したが、地下10階までに強力なモンスターは皆無だった。
大体ゲーム何かだと10階区切りにボスキャラが居たりするんだよな...。
そんなことを考えているとニアが突然足を止める。
「この先に階段があるのですが、階段の前に大きな部屋のような空間があるんですよね」
間違えないボス部屋だ。
おそらくボスを倒さないと先には進めない仕様になっていることだろう。
そこから少し進むと案の定大きな扉が付けられた部屋があった。
まぁ、この辺りのザコモンスターのことを考えても強いモンスターがいるということはないだろう。
俺は部屋に入るべく部屋の扉に手を掛けた。




