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その24 どうやらドラゴンスレイヤーになったようです

ガンツが燃え尽きた後、ドラゴンはこちらの方に視線を向けている。明らかにドラゴンの目には俺が映っているかのように思える。


 ドラゴンは俺に狙いを定めた様で、こちらへ向かいゆっくりと歩いてくる。どうやら俺にはモブインビジブルというユニークスキルはなかったようだ。


 流石にドラゴン相手に丸腰では、素手で戦車に向かって行く様なものなので、目の前に刺さっているガンツの剣を引き抜いた。


 まぁ剣を手にしたところで、勝てる見込みは限りなく0に近いだろう。


 ドラゴンは俺の前まで来ると大きく口を開いた。炎のブレスがくる! そうは分かっていても俺の足は動いてくれなかった。


 ドラゴンは俺に向けて炎のブレスを吐き出した。完全に死を覚悟して、せめて楽に死にたいと思いながら目を閉じたが、一向に身体が焼かれている気配がない。


 ん? 熱いのは熱いんだが、別に身体は燃えてないぞ? 見るとブルードッグとの戦闘中と同じ様に身体が光り輝いている。


「なんだ...? 身体に力が溢れてくるぞ」


 ブルードッグと戦った時にも身体に力が溢れてくる感覚はあったが、今回はその時とは比にならないくらいの力が溢れてきている。


 何故俺の身体が炎に焼かれないかは不明だが、制服まで焼けていないということは、何か特殊な力が働いているのだろう。


 炎が効かないと分かると、ドラゴンはその大きな右腕を振り上げ、俺の身体を引き裂くべく、その爪を俺に向け振り下ろした。


 俺はドラゴンの爪を剣で受け止めた。普通に考えてドラゴンの力を受け止めれば、地面に埋まっていてもおかしくない筈だが、かなり重たい物を受け止めたくらいの感覚しか感じない。


「何かよく分からないけど、行けるんじゃないのか!?」


 身体を少し横に動かし、爪を受け止めていた剣を引くと、ドラゴンの右手は勢いで地面にめり込んだ。


 俺は右腕に近付き、切り付けてみた。ガンツが切り付けた時の様な金属音はせず、ドラゴンの腕を切り裂くことが出来た。


「グギャァァー!」


 ドラゴンは傷みで叫び声を上げた。この好機を逃す訳にはいかない! ドラゴンを切ることが出来ると分かったので身体を何ヶ所も切り付けた。


「グギャァァァー!」


 ドラゴンは苦しんでいる。流石にこれだけ切られれば相当な傷みだろう。多分、俺だったら確実にショック死していると思う。ドラゴンが苦しんでいる隙に眉間に剣を突き刺した。


 剣は鍔の部分が引っ掛かるまで内部へと進入をして行った。


「グガァァァ!!」


 ドラゴンは断末魔の叫び声を上げるとその場に崩れ去り、その後ピクリと動くこともなかった。


 ここにドラゴンスレイヤーシオンが誕生した。


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