その222 次の目的地はマースの街です
「ん、んー...」
いつの間にか眠ってしまっていたようで、顔がベッドに埋まってしまっていた。
顔を上げ横を見ると可愛らしい寝顔でニアが眠っている。
その隣にはリュートの姿もある。
体力を使い過ぎたせいか、かなり眠ったと思うのに、まだ全然寝たりない気がする。
俺が目覚めて数分が経過するとニアが目を覚ます。
「ん...んー、シオンお兄ちゃんおはようございます」
「ニア。おはよう」
ニアはベッドから起き上がると床へと降りる。
ニアに続き俺もベッドから降りると、リュートがムクムクと起き上がってきた。
「リュートも起きたことだし、そろそろ出発しようか?」
「はい」
宿屋の入り口の時計を確認すると時刻は13時過ぎだった。
俺達は宿屋を出た後、そのまま[ファラン]も出て少し南に歩いた所で、ニアにシルキーを呼び出してもらう。
「シルキーは黄昏の迷宮って知ってるかい?」
「もちろんですよ。貴方と一緒にしないで下さい」
この前の件で俺のことを見直してくれた筈だったのに、対応は前と変わってない気がする。
「ここからどれくらい掛かるかわかるかい?」
「私の足なら3日というところですかね...」
シルキーの足で3日ということは、普通に馬車で向かったら一週間は掛かるだろう。
3日間は野宿をしながら過ごすとして、黄昏の迷宮に入る前には宿でゆっくりと休みたい。
「黄昏の迷宮から一番近い街というとどこになるかな?」
「黄昏の迷宮の直ぐ近くに[マース]という街があります。[マース]から黄昏の迷宮までは1時間程ですね」
「だったら[マース]に向かってもらっても良いかな?」
シルキーがチラリとニアの方を見る。
ニアが頷くと、俺達が乗れるようにシルキーが背中を下ろす。
全員が背中に乗ったのを確認するとシルキーが走り出す。
辺りが暗くなるまでシルキーは走り続け、真っ暗になれば適当な場所を見付け、食事や睡眠を取る。
それを繰り返して3日後。
俺達の目の前に小さな街が見えてきた。
「あの街がマースです。ここから東に行ったところに黄昏の迷宮があります」
街から少し離れた所でシルキーに止まってもらい、背中から降りる。
シルキーが魔法陣の中に消えた後、俺達は[マース]に向かい歩き出した。
[マース]の入り口に着くと、冒険者風の人間が数人集まっていた。
全員が武装をしており、まるで今から討伐依頼にでも行くかの様だ。




