その214 1対2はかなり厳しいかも知れません
俺達はモンスターだけが相手と決まっていたが、流石にこの状況で指をくわえて見ている訳にはいかない。
「止めろ! ガイアさんを放せ!」
「ん?」
2人の視線が俺の方に向く。
「確かお前達はケルベロスとオルトロスの相手をしていた人間だよな? 面白れー! ここにいるってことはあの2頭を倒したってことか? なるほどな...お前も俺達と同じってことか」
「えー? この2人が私達と同じ、地求人だって言うの? その割にはこっちの男はただのザコにしか見えないんだけど?」
鋭い女だ。ある意味正解だとも言える。
俺達がケルベロスとオルトロスを倒したと知っても、笑って居られるということはこの2人はあの2頭よりも更に強いということだ。
「それじゃあ久し振りに異世界人と殺り合いますか!」
男はガイアを投げ飛ばすと俺の方へと近付いてくる。
「うぐっ!」
ガイアは白眼を向いてしまっているが、何とか生きてはいるようだ。
「それじゃあ私はこっちの可愛い女の子の相手をするわね」
女はニアと戦おうとしているが、ニアに人間の相手をさせる訳にはいかない。
実力のある人間を相手に、傷付けずに戦うとなると相当な困難を伴う筈だ。
「お前達の相手なら俺1人で十分だ。まとめて相手をしてやる!」
今の俺に出来ることといったらこれくらいしかない。
「俺達を相手に1人で戦うとかちょっと舐めすぎだな?」
目の前から男の姿が消える。
俺が次に男を捉えたのは、男が俺の目の前に現れた時だった。
男の蹴りが俺の横っ腹を蹴り飛ばす。
「がはっ!」
俺が飛ばされた先には女が待ち構えていた。
「ちょっと危ないじゃない」
女は俺の身体を不思議な力で、包み込むように優しく受け止めた。どうやら魔方の力によるもののようだ。
「いつまでくっついているの? 放れなさいよ」
女が俺に手をかざすと物凄い衝撃波が俺の身体に叩き付けられる。
「うがっ!」
俺の身体は男の方へと飛ばされる。
男は拳を前に突きだし待ち構えている。
「ストラーイク!」
「うぐっ!」
男の拳が腹部にめり込む。
強い痛みにより、俺は腹を押さえたままその場に膝を突いてしまった。
「シオンお兄ちゃん!」
ニアとリュートが俺に近付く。
「キュイイイー!」
リュートが男を睨み付けている。
「たかがフレアドラゴンの分際で俺にそんな眼を向けるとは良い度胸だ」
男がリュートにデコピンをするとリュートがかなり遠くに飛ばされる。
「キュゥゥゥ...」
ダメージがかなり大きいのか、リュートはプルプルと震えている。
デコピン1発であの威力とか完全に漫画の世界だ...。




